米ワーナーミュージック、「遊んで稼ぐ」NFTゲーム開発へ。デジタルトレカのSplinterlandsと提携

ワーナーミュージックグループがスプリンターランドとP2Eゲーム開発へ

米ワーナーミュージックグループ(Warner Music Group:WMG )が、P2E(play-to-earn:遊んで稼ぐ)型のNFTゲームを開発することが分かった。

WMGは2月22日、NFTトレーディングカードゲーム「Splinterlands(スプリンターランド)」を運営するスプリンターランド社とのパートナーシップを発表。これによりWMGに所属するアーティストに関するブロックチェーン・NFTのゲームを制作・開発するとのこと。

発表によると開発を予定しているゲームは、「アーケードスタイル」とされており、家庭やソーシャル向けではなくゲームセンターなどで提供されると思われる。

なお「Splinterlands」は、Hive(ハイブ)とWAX(ワックス)のブロックチェーンにマルチチェーン対応したゲームだ。ダップレーダー(DappRadar)によるとユーザー数では第1位のブロックチェーンゲームとなる(2/24調べ)。またDAO(自律分散型組織)である「Splinterlands」の開発コミュニティではSPSトークンの発行も行われており、ガバナンスに利用されている。

WMGの最高デジタル責任者兼事業開発副社長であるオアナ・ルキサンドラ(Oana Ruxandra)氏は、「P2Eゲームの大きなチャンスを過小評価することはできないと思う。スプリンターランドとのパートナーシップは、私たちのアーティストとその音楽に焦点を当て、トークン化されたゲームを共同で開発・維持するものです。私たちの構築で、アーティストに新たな収益源を開拓し、価値創造におけるファンの関与をさらに強固なものにしていきます」とコメントしている。

WMGによるブロックチェーン事業への進出として、NFTを活用したゲームプラットフォーム「The Sandbox (ザ・サンドボックス)」内に音楽コンサートのテーマパークをローンチすることが今年1月に発表されている。

また同月、WMGはNFTマーケットプレイスのブロックパーティ(Blockparty)と提携し、WMG所属のアーティストがブロックパーティで、NFTコンテンツを販売できるようになったとのこと。

さらに同月WMGは、Tezos(テゾス)ブロックチェーンを基盤にした音楽専門のNFTプラットフォームONE OF(ワンオフ)とWMG所属アーティストのNFT販売に向けた契約を提携している。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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参考: ワーナーミュージックグループ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/SvetaZi・shironosov

この記事の著者・インタビューイ

呉心怡

「あたらしい経済」編集部 中国・浙江省出身の留学生。東京女子大学 人文学科に在学中。 文章を書くことが好き。中国語、英語、日本語の3か国語を話す。あたらしい経済では持ち前の語学力を活かし、ニュース記事を執筆。ブロックチェーンや経済分野については勉強中。

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