OpenSea、社員のNFTに関する不正取引の事実を開示

OpenSea、社員のNFTに関する不正取引の事実を開示

大手NFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)が、同社社員がNFTの不正取引を行なっていたことを9月15日に発表した。

具体的には、1人の社員がオープンシーのフロントページに公開される予定のNFTを、公開前に購入していたとのことだ。オープンシーとしてはこの問題を非常に深刻に受け止めており、事実関係と取る必要のある追加措置を把握するため、第三者機関を通して徹底的な調査を行なっている最中とのことだ。

この不正を受けて、早急にオープンシーは次の2つの方針を示した。

(1)OpenSeaのチームメンバーは、当社がコレクションまたはクリエイターを特集または宣伝している間(例:ホームページ上で)、コレクションまたはクリエイターから購入または販売することはできません。
(2)OpenSeaチームメンバーは、OpenSeaプラットフォーム上で利用可能か否かにかかわらず、機密情報を使用してNFTを購入または販売することを禁じます。

またブログでは、今後の方針として「クリエイターやコレクターに力を与える、よりオープンな新しいインターネットを実現するためには、私たちの活動のすべてに信頼と透明性を組み込む必要があります。 私たちは、ユーザーのために正しいことを行い、コミュニティからの信頼を取り戻すことを約束します」と説明している。

なおこの不正の事実はTwitterアカウント「@ZuwuTV」氏のイーサリアムのトランザクション調査の結果から明らかになった。

ちなみに「@ZuwuTV」は不正を行なったのはオープンシーのプロダクトトップのネイト・チャステイン(Nate Chastain)氏だとツイートしているが、オープンシー側は該当者の氏名を現在公開していない。

今後オープンシーが事実情報をさらに開示し、対応を進めていくと考えられる。このような不正な取引は、規制等がまだまだ完全ではない暗号資産やNFTにおいて、氷山の一角かもしれない。

このような不正行為に対して、企業や規制機関がどのように対応していくか、注視していきたい。

参考:オープンシー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/artsstock

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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