ハイパーリキッドストラテジーズ、子会社が米先物取次業者の登録を申請。四半期純利益6.2億ドル

米国向け無期限先物で顧客口座の管理を目指す

暗号資産(仮想通貨)HYPEを財務資産として保有する米ナスダック上場のハイパーリキッド・ストラテジーズ(Hyperliquid Strategies)が、11月5日(米東部時間、日本時間6日)に発表した2026年7〜9月期決算で、子会社が米先物取次業者(Futures Commission Merchant:FCM)としての登録を申請したと明らかにした。同四半期の純利益は6億2,060万ドル(約982億円)だった。

FCMは、米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下で先物取引などの注文を受け付け、顧客から証拠金などを預かる業者だ。子会社は規制当局の承認を前提に、分散型取引基盤「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」上に開設される参加者限定の無期限先物市場で、米国顧客の口座管理を担う計画だ。

対象となる市場では、外部事業者が独自の無期限先物市場を開設できるハイパーリキッドの機能「HIP-3」を使う構想だ。市場運営者は取引対象や参照する価格データ、レバレッジの上限などを設定し、注文の照合にはハイパーリキッドの取引基盤を利用する。市場の開設時に追加機能「HIP-3スター(HIP-3*)」を選ぶと、運営者はオンチェーンの許可リストに登録したアドレスに取引を限定できる。

日本時間10月27日のハイパーリキッド公式Xの投稿によると、HIP-3スターの初期版はテストネットで公開されており、本番ネットワークには今後のアップグレードで追加される予定だ。試験版の仕様には、許可リストの管理権限の委任や、当該市場の未約定注文の取り消し、既存ポジションの縮小に限った代理注文の機能も含まれる。

ハイパーリキッド・ストラテジーズが米証券取引委員会(SEC)に提出した四半期報告書(フォーム10-Q)によると、保有するHYPEの価格上昇に伴う8億300万ドル(約1,270億円)の未実現評価益が純利益を押し上げた。前年同期の比較値は、2025年12月の事業統合前にロールシャッハI(Rorschach I LLC)が計上した1,340万ドル(約21億円)の純損失だ。

売上高は1,225万ドル(約19億4,000万円)で、全額がHYPEのステーキング報酬とバリデーター手数料によるものだった。約105万ドル(約1億7,000万円)の受取利息は、売上高と別の項目に計上した。

同社は7〜9月期の株式発行による純収入を、フォーム10-Qのキャッシュフロー計算書で約9億2,504万ドル(約1,463億円)と報告した。同期に約7億8,590万ドル(約1,243億円)で約908万HYPEを追加取得し、自社株を約270万株買い戻した。

HYPE保有量は6月末の約2,928万HYPEから9月末の約3,852万HYPEに増えた。9月末時点の評価額は約35億530万ドル(約5,545億円)で、保有量は当時のHYPE流通量の約16%にあたる。同社は10月28日時点で約3,890万HYPEを保有し、HYPEを主な財務資産とする上場企業の中で保有規模が最大だとしている。

参考:ハイパーリキッド・ストラテジーズ決算リリース(SEC提出書類添付)・四半期報告書(フォーム10-Q)・決算説明資料・全米先物協会(NFA)のFCM登録案内・ハイパーリキッド公式X(HIP-3*の発表)
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。