サークル、適格ステーブルコインの「現金」扱いをSECに要請

ジーニアス法との整合や自己資本規制上の評価減ゼロを提案

米ドル建てステーブルコイン「USDC」を展開する米サークル(Circle)が、米証券取引委員会(SEC)の暗号資産(仮想通貨)規制案「レギュレーション・クリプト・アセッツ(Regulation Crypto Assets)」への意見書を提出したと10月28日に発表した。意見書は同20日付で、適格な決済用ステーブルコインの現金扱いなどを求めている。

同規制案は、暗号資産に関わる一定の投資契約の募集に向けた枠組みを設けるものだ。サークルは、投資家保護や市場の透明性を維持しながら、ブロックチェーン上での資金調達を促進する方向性を支持している。 

サークルは、米国の決済用ステーブルコイン規制法「GENIUS Act(ジーニアス法)」に準拠するステーブルコインを、規則案302条(b)上の「現金」として扱うよう求めた。同社は、規制案の下で、ステーブルコインによる調達額が募集上限に算入されながら、現金での募集に適用される規定を利用できなくなる事態を避けるため、現金扱いの明確化が必要だとしている。

またサークルは、米ドルと1対1で償還できる適格なステーブルコインについては、調達額を対応するドル額で評価するよう提案。オンチェーンで受け取ることだけを理由に、現金以外の資産として別途評価する必要がないことの明確化を求めた。

さらに同社は、同規制案の対象取引で購入対価や精算に使えるステーブルコインを、ジーニアス法に準拠するものに限定するよう提案した。募集対象の暗号資産と、その購入に使うステーブルコインの法的な扱いを区別することも求めている。

自己資本規制では、SEC職員がFAQで、一定の条件を満たす決済用ステーブルコインに2%の「ヘアカット」を適用する扱いを容認している。サークルは、ブローカーディーラーが自己勘定で保有するジーニアス法準拠の決済用ステーブルコインについて、一定の保護措置を条件に、この割合をゼロに引き下げるよう提案した。ヘアカットは、自己資本の計算時に資産の評価額から一定割合を差し引く扱いを指す。

あわせて同社は、会計上の現金分類や、顧客資産保護のための準備金制度における扱いも明確にするよう要請した。これらについては、同規制案と連携しつつ、別途対応する必要があるとしている。

技術面では、特定のネットワーク運営方式やバリデーターの構成を制度利用の条件としないよう、サークルは求めた。同社の「アーク(Arc)」のように、利用者には開かれている一方、取引を検証するバリデーターの参加を許可制とするネットワークも対象に含めるべきだと提案した。

またサークルは、ネットワークが機能するようになった後の保守やバリデーターの管理について、証券法上の投資契約に該当するかの判断に関わる「本質的な経営上の努力」に当たらないことを最終規則に明記するよう求めた。技術開発計画の公表についても、資産の価格や価値がその取り組みに依存すると示さないことなどを条件に、同様の扱いを認めるセーフハーバーを同社は提案している。

参考:サークル公式ブログ・SECへの意見書
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。