SMBCグループ、SBI・スターテイルの合弁に5%出資へ。ステーブルコイン活用で提携

JPYSCなどを活用した金融サービスを共同検討

SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)が、ステーブルコインなどを活用した新たな金融サービスの共同検討に向け、資本業務提携契約を締結したと10月30日に発表した。

両社は今回、SMBCグループによる「SBIスターテイルマーケティング(SBI Startale Marketing)」への5%の資本参加についても合意した。同社は、SBIグループとスターテイルグループ(Startale Group)が設立した合弁会社だ。

SBIスターテイルマーケティングは、信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」の普及促進と利用機会の創出を目的に設立された。法人や金融機関などでの活用場面の企画・検討、関係事業者との連携、調査・研究、実証的な取り組みなどを担う。

JPYSCは、SBIグループとスターテイルグループが共同開発し、SBI新生信託銀行が発行するステーブルコインだ。SBI VCトレードで2026年6月に提供が開始されている(現時点で外部ウォレットとの入出庫に非対応)。

両グループは今回の提携を通じ、双方が有するオンチェーン技術と金融領域の知見を持ち寄り、JPYSCをはじめとするステーブルコインの活用可能性について調査・研究する。決済・送金などの具体的な利用場面を検討し、実証的な取り組みを進める方針だ。

両社は、ステーブルコインなどを金融サービスに活用するには、法令・制度、技術、セキュリティ、事業性などを幅広く検討する必要があるとしている。関係法令などの順守を前提に、金融資産の取引や決済における新たなサービスの可能性を検証し、将来的な事業化を検討するという。

今回の提携の背景には、ステーブルコインやトークン化された現実資産(RWA)の市場拡大がある。両社は、金融資産の発行・流通・決済をブロックチェーン上で完結させる「オンチェーン金融」が、次世代の金融市場インフラとして注目されていると説明している。

なお、SBIホールディングスは同日、香港のクロスボーダー決済企業フォトンペイ(PhotonPay)への出資決定も発表した。出資はSBIグループが運営するファンドを通じて行う。フォトンペイは、法人向けカード発行、集金・送金、ステーブルコイン決済を手がけ、法定通貨とステーブルコインの双方に対応する決済基盤を提供している。

今回の出資により、SBIグループが日本を起点に構築する円建てステーブルコインや国際送金の基盤と、フォトンペイのグローバルな決済・清算網との接続の可能性が広がるという。SBIは、今後具体的な連携のあり方を検討するとしている。

なお、SBIグループによるステーブルコインの利用拡大に向けた提携は今月複数進められた。

10月21日には、SBI VCトレードとSBI XDC Network APACが、韓国大手カード会社シンハンカード(Shinhan Card)との基本合意書締結を発表。3社は、円建てステーブルコインと実店舗決済サービスとの連携や、ステーブルコインを活用したクロスボーダー決済などを検討するという。

10月27日には、SBIホールディングスとスターテイルグループが、ブラックロック(BlackRock)との基本合意書締結を発表した。トークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)とJPYSCの連携に向け、「技術・インフラ」「事業・販売」「規制・市場整備」の3領域で検討を進めるとしている。

さらに10月28日には、SBIホールディングスが、米クロスリバー・バンク(Cross River Bank)の親会社CRBグループ(CRB Group)と、戦略的業務提携および日本での合弁会社設立に向けた基本合意を発表。協業では、クロスリバー・バンクのプラットフォームへのJPYSC導入も検討し、機関投資家向け取引やクロスボーダー取引、トークン化資産取引の精算手段としての活用を想定している。

参考:SBI・SMBC
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。