ENSラボ、「ENSv2」をイーサリアムメインネットで稼働開始

名前の管理機能を刷新、既存のENS名は継続利用可能

イーサリアム・ネーム・サービス(Ethereum Name Service:ENS)の新バージョン「ENSv2」が、イーサリアム(Ethereum)のメインネットで稼働を開始した。同サービスの開発を担うENSラボ(ENS Labs)が、10月27日に発表した。

ENSは、長いウォレットアドレスに「alice.eth」のような人が読みやすい名前を紐づける仕組みだ。対応するウォレットやアプリでは、この名前を使って暗号資産(仮想通貨)の送金先を指定できるほか、プロフィール情報などを表示できる。

ENSv2の稼働にあわせ、ENSラボは名前の登録・更新やプロフィール設定を行う「ENSアプリ(ENS App)」を刷新した。また、開発者や上級利用者向けの「ENSエクスプローラー(ENS Explorer)」も提供を開始した。同ツールでは、名前の履歴や管理権限を持つ主体、名前に紐づく情報を読み出す仕組みや設定を確認できる。

基盤となるプロトコルには、名前の登録・管理を行う「レジストリ」を階層化する仕組みを導入した。これにより、個々の名前ごとに、その配下にある名前「サブネーム」を管理する独自のレジストリを持たせられるようになった。

また、名前ごとに細かく権限を設定できる。例えば、サブネームの保有者に、名前に紐づく情報の参照先を設定する権限を与えつつ、その名前を譲渡する権限は与えないといった運用が可能だ。

既存のENS名は、ENSv2に移行しなくても引き続き利用・更新でき、再登録は不要だ。移行期限も設けられていない。新機能を利用したい保有者は、同日からENSアプリを通じて移行条件を満たす「.eth」名をENSv2へアップグレードできる。ただし、譲渡禁止などの権限制限が設定された一部の名前は移行できず、更新猶予期間中の名前は事前の更新が必要となる。

ENSのガバナンスを担う分散型自律組織「ENS DAO」では、ENSv2を有効化する提案が10月27日に実行された。同提案では、ENSラボが保有するENSv2の管理権限をDAOに移管する手順も定められている。

なおENSラボによると、ENSで扱う名前は「.eth」と各プロジェクトの名前空間を合わせて3,600万件を超え、名前からアドレスなどの情報を取得する機能に対応するアプリは600以上に上るという。

ENSラボは当初、ENSv2の展開先として独自のレイヤー2(L2)「ネームチェーン(Namechain)」の開発を進めていた。しかし、2026年2月6日に同チェーンの開発中止を発表し、ENSv2をイーサリアムメインネットに直接展開する方針を示していた。

当時ENSラボは、イーサリアムの処理能力向上に伴い、ENS名の登録にかかるガスコストが過去1年間で約99%低下したと説明。独自L2の運用に伴う技術的な複雑性や負担を踏まえ、メインネットに展開する判断に至ったとしていた。

参考:ENS公式ブログ・ENS DAO
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。