ソラナの新コンセンサス「Alpenglow」がメインネットで稼働
レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」で、新たなコンセンサスプロトコル「アルペングロー(Alpenglow)」がメインネットベータ(mainnet-beta)で稼働を開始した。ソラナの主要クライアントソフトウェア「アガベ(Agave)」を開発するアンザ(Anza)が10月21日に発表した。
コンセンサスとは、取引の検証やブロック生成を担う「バリデーター」が、取引の順序やブロックの最終確定(ファイナリティ)について合意する仕組みだ。
ソラナ財団によると、アルペングローは、従来約12.8秒かかっていた最終確定までの時間を約150ミリ秒に短縮することを目指している。
アルペングローでは、合意形成を高速化するため、新たな投票プロトコル「ヴォーター(Votor)」が導入された。従来のタワーBFTでは、バリデーターが投票をブロックチェーン上に記録し、32スロットにわたって投票を積み重ねることでブロックを最終確定していた。一方、ヴォーターではバリデーター同士が投票を直接やり取りし、複数の投票を証明書に集約する。これにより、1回または2回の投票ラウンドでブロックを最終確定できる仕組みとなった。
アンザは、ファイナリティの短縮により、金融機関が暗号技術による保証のもとで高速な決済を実行できるようになると説明している。また、24時間稼働し、取引を即座に決済できる資本市場の実現にもつながるとのこと。さらに、開発者によるウェブ2(Web2)並みの応答速度を持つウェブ3(Web3)アプリケーションの構築や、AIエージェントによる許可不要の高速決済も想定している。ただし、約150ミリ秒というファイナリティは目標値であり、実際の確定時間はネットワークの状況などによって変動する。
今回の移行では、既存のブロックチェーンを維持したまま、新たなコンセンサスの起点となるジェネシスブロックが形成され、タワーBFTの運用が終了した。ソラナ財団(Solana Foundation)の公式資料によると、ネットワークに参加する654のバリデーターのうち446がジェネシスブロックの認証に参加した。また、アンザはタワーBFTからアルペングローへの切り替えに要した時間が900ミリ秒だったと報告している。
投票方式の変更に伴い、バリデーターの費用体系も変わった。従来は投票をトランザクションとしてブロックチェーン上に記録するたびに手数料が発生していたが、アルペングローでは投票トランザクションが不要となった。これに伴い、従来の投票手数料に代わって、バリデーターには1エポックあたり0.8 SOLの定額参加料金が課される。エポックとは、ネットワークの運用上、複数のスロットをまとめた期間を指す。
一方、今回のアップグレードでは、スマートコントラクトの実行環境やトランザクション形式、一般利用者が支払う手数料の仕組みは変更されていない。そのため、一般利用者は従来どおりウォレットやアプリケーションを利用できる。ただし、ブロックデータや投票情報を扱うインフラ事業者などは、システムの変更が必要になる場合がある。
アルペングローは、アンザがホワイトペーパーの公開から18カ月未満でメインネットへの導入を実現した。今年5月にコミュニティテストクラスターで稼働を開始し、9月にはテストネットと開発者向けネットワーク「デブネット(devnet)」への移行を完了した。今回のメインネット導入は第1段階にあたり、今後はブロックデータをネットワーク内に伝播する仕組みを刷新する「ローター(Rotor)」の導入も計画されている。なお、ローターの導入時期は未定とのことだ。
Alpenglow is now live on Solana mainnet. ⛰️ Finality just went from ~12.8 seconds to ~150ms. The biggest consensus upgrade in Solana’s history, built by @anza_xyz.
— Solana (@solana) October 21, 2026
参考:ダッシュボード
画像:PIXTA