井林国交相、訪日客の免税還付にステーブルコイン活用を検討。11月の新制度移行控え

ステーブルコイン活用に言及

井林辰憲国土交通大臣が、訪日外国人向けの消費税免税制度における還付手段として、ステーブルコインの活用を検討する考えを示した。10月21日に開かれた衆議院国土交通委員会での所信表明で明らかになった。

井林国交相は、消費税相当額を購入後に払い戻す「リファンド方式」について、「ステーブルコインの活用の検討も含め、利用者目線の対応を進めます」と述べた。

訪日外国人向けの消費税免税制度は、11月1日からリファンド方式に移行する。現行制度では免税店が一定の要件のもとで消費税を免除して販売しているが、新制度では購入時にいったん税込価格を支払う仕組みとなる。

購入者は購入日から90日以内の出国時に、税関で購入品の持ち出し確認を受ける必要がある。確認後、免税店を運営する事業者から消費税相当額の返金を受ける。

民間では、株式会社日本免税と円建てステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC株式会社が、今年3月に業務提携を発表している。両社は、新制度への移行に際し、カード返金の制約や着金までの時間などを課題に挙げており、税関による持ち出し確認後、旅行者のウォレットにJPYCで迅速に還付する仕組みの構築を目指している。

ただし、今回の井林国交相の発言はステーブルコインの活用を検討する方針を示したものであり、特定のステーブルコインの採用や具体的な導入時期、制度設計は明らかになっていない。

過去にはステーブルコインによる納税にも言及

井林氏は国交相就任前から、行政分野でのステーブルコイン活用に前向きな姿勢を示していた。

ブロックチェーン推進協会(BCCC)が8月に公開した対談では、個人的な見解としたうえで、日本円と価値が連動し、円や日本国債を裏付け資産とするステーブルコインを納税に活用する可能性に言及した。一方、納税方法は自民党税制調査会が扱うテーマであるとし、手数料の問題も課題として挙げていた。

政府内でも、公的分野におけるステーブルコイン活用の検討が進んでいる。デジタル庁は9月30日に開催された金融庁の「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」で、ステーブルコインやトークン化預金を公的給付金に活用する可能性について、技術面から検討する方針を示している。

参考:衆議院審議中継・ 国税庁・金融庁
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者