米国事業の拡大に向け資金調達を検討
米暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスUS(Binance.US)が、米国事業の拡大に向け、企業評価額約10億ドル(約1,581億円)で最大1億ドル(約158億円)の資金調達を模索しているという。米「ブルームバーグ(Bloomberg)」が事情に詳しい関係者の話として、10月15日(日本時間16日)に報じた。
報道によると、同社は私募による資金調達を進めているとのこと。調達額や企業評価額、参加投資家の構成は、今後の交渉過程で変わる可能性があるという。
バイナンスUSは2022年4月、初の資金調達となるシードラウンドで2億ドル超(約316億円超)を調達していた。当時の調達前の企業評価額は45億ドル(約7,116億円)であり、今回報じられた目標評価額は、その水準を大幅に下回る。
2023年6月には、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスUSなどを提訴し、裁判所へ関連資産の凍結を緊急要請していた。これを受けて銀行パートナーが米ドル取引のサポートを終了する方針を示し、同社は米ドルの入金を停止。同年7月には、米ドルの入出金を扱わない暗号資産専用の取引所へ移行した。
また、2024年7月19日には、同社の運営会社BAMトレーディングサービス(BAM Trading Services)などが、顧客の法定通貨資金の一部を米財務省短期証券で運用する承認を、米コロンビア特別区連邦地方裁判所から得ている。対象はビットゴー(BitGo)に保管されていた資金で、4週間単位で満期を迎える短期証券への投資が認められた。バイナンス関連企業などの第三者が投資に関与しないことや、想定される顧客の出金要求に対応できる米ドルを確保することなどが条件とされた。
その後、同社は2025年2月19日、銀行送金(ACH)による米ドルの入出金サービスの再開を発表した。入出金手数料は無料とし、対象顧客への提供を段階的に進めると説明していた。
同社は米国市場でのシェア回復を目指している。ブルームバーグはこれまでに、同社が予測市場を含む新たな事業への参入を検討していると報じていた。今回の報道では、米国事業の拡大に向け、一部の州で資金移動業のライセンスの回復も目指しているとされている。
また、バイナンスUSは、外部から取引用の流動性を確保する可能性についても協議しているという。グローバル版バイナンスから調達する可能性も含まれるが、具体的な方法は決まっていないとのことだ。
今回の資金調達については、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領らが共同創設したワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)にも情報が伝えられていたという。ただし、別の関係者は、ワールド・リバティ・ファイナンシャルが今回の資金調達に出資者として参加していないと説明したとのこと。バイナンスUSとワールド・リバティ・ファイナンシャルの広報担当者は、ブルームバーグへのコメントを控えている。
なお、バイナンスUSは2019年にサービスを開始し、グローバル版バイナンスとは別に運営されている。バイナンス共同創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏は、両社の大株主である。
参考:ブルームバーグ
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