スラッシュビジョンが「Slash App」正式公開、ステーブルコイン決済カードの一般申込開始

ウォレットとカード管理をアプリに集約

シンガポール拠点のスラッシュビジョン(SLASH VISION)が、ステーブルコインのウォレット機能とカード決済・管理機能をまとめたスマートフォンアプリ「スラッシュアプリ(Slash App)」を正式リリースしたと10月15日に発表した。

同社はアプリの公開にあわせ、ステーブルコイン決済カード「スラッシュカード(Slash Card)」の事前登録制を終了し、一般向けの申し込み受け付けを開始した。利用希望者は同アプリから直接カードを申し込めるようになった。

スラッシュアプリは、ユーザー自身が資産を管理するセルフカストディウォレットと、スラッシュカードの決済・管理機能を統合したアプリだ。ユーザーはステーブルコインの保管・送受金のほか、カードの申し込みや決済履歴の確認などを行える。同アプリはiOSとAndroidに対応し、Slash Vision Japanが開発・運営を担当する。

スラッシュカードは、米ドル連動ステーブルコイン「USDC」を決済原資として利用できるVisaカードだ。日本国内を対象に提供されている。ユーザーは国内外のVisa加盟店で決済でき、決済の都度、自らステーブルコインを法定通貨へ交換する手続きは不要となる。一方、加盟店には日本円などの法定通貨で支払いが行われる。

同カードは、スラッシュビジョン、オリエントコーポレーション(オリコ)、アイキタスの3社が提携して運用している。3社は今年4月20日にカードの発行を開始し、これまで事前登録者向けに提供してきた。

今回、同社は本人確認手段を拡充した。従来のマイナンバーカードに加え、運転免許証による本人確認にも対応したことで、マイナンバーカードを持たない人もスラッシュカードを申し込めるようになった。

また同アプリには、顔認証・指紋認証によるログイン機能が追加された。ユーザーはアプリ起動時などのパスワードやPIN番号の入力を、生体認証で代替できるとのこと。

同社は「友達紹介プログラム」も導入した。紹介された人が初回決済を完了すると、紹介者には1人あたり10ドル(約1,600円)相当の報酬が付与される。紹介人数に上限は設けられていない。

さらに、当月のスラッシュカード利用額が500ドル(約7.9万円)以上の紹介者には、「紹介ブースト」が適用される。対象者には1人あたり追加で10ドル(約1,600円)相当が付与され、報酬は合計20ドル(約3,200円)相当となる。追加報酬の適用は月10人までとのこと。

同社は今後、スラッシュカードに「Virtual」、「Normal」、「Premium」の3つのカードランクを設ける予定だ。サブスクリプションへの加入やレンディング(貸し出し)額などに応じて「ティアポイント(Tier Point)」を付与し、ポイントに応じてランクごとの特典内容を決定する計画だ。

同社はPremiumランクで最大1.5%のキャッシュバックを提供する予定としている。ただし、特典内容や数値はいずれも予定であり、変更される可能性があるとのこと。 なお、スラッシュエコシステムのガバナンストークンである暗号資産(仮想通貨)「スラッシュビジョンラボトークン(Slash Vision Labs Token:SVL)」は、今年8月19日に国内暗号資産取引所コイントレード(CoinTrade)に上場している。国内暗号資産交換業者によるSVLの取り扱いは、同取引所が初となった。

またスラッシュビジョンは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とも提携している。今年6月12日に発表された基本合意では、両社はみんなの銀行のBaaS(銀行機能を外部サービスに提供する仕組み)基盤を活用し、日本円の入出金などの銀行機能をスラッシュアプリに組み込む開発を進める方針を示した。

さらに、東証グロース上場企業のイオレは、2025年9月29日にスラッシュビジョンとの資本業務提携を発表した。両社は、イオレの暗号資産レンディングなどの金融サービスと、スラッシュビジョンのウォレット・カード機能を連携させる方針を示している。提携には、ウォレットからレンディングサービスへ接続する仕組みの共同開発や、日本円とステーブルコインの交換機能の構築などが含まれる。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。