コンセンシスと英金融市場インフラのクリアトークンが提携、トークン化資産の24時間365日精算へ

金融機関向けにブロックチェーンと規制下の市場インフラを接続

ブロックチェーン開発企業コンセンシス(Consensys)と、英国の金融市場インフラ企業クリアトークン(ClearToken)が、トークン化資産と資金の24時間365日の精算に向けた戦略的提携を10月8日に発表した。

今回の提携は、銀行などの金融機関が取引するホールセール市場を対象とする。両社は、コンセンシスのブロックチェーン技術と、クリアトークンが英国の規制下で構築する市場インフラを組み合わせる。

両社が重視するのは、取引の確定に関する技術面と法律面の確実性だ。コンセンシスは、ブロックチェーン上の取引記録が改変されない技術的な確実性を提供する。クリアトークンは、資金や資産の移転が法的に確定し、取り消されない精算の確実性を担う設計となっている。

具体的には、トークン化した証券と、法定通貨やトークン化預金、ステーブルコインを用いた資金の受け渡しを24時間365日で行うことを目指すとのこと。精算には、証券と資金を同時に受け渡すDVP(Delivery versus Payment)方式を用いるという。

コンセンシスは、銀行や証券会社、資産運用会社を、複数のブロックチェーンや金融市場インフラに接続する技術を提供する。また、クリアトークンはコンセンシスのトークン化基盤やウォレット、顧客網を活用し、金融機関などの顧客や提携先への展開を進める。

なお、クリアトークン傘下のクリアトークンCSD(ClearToken CSD Limited)は、イングランド銀行(Bank of England)のデジタル証券サンドボックスで「ゲート2(Gate 2)」の承認を取得している。この承認により、一定の制限の下で対象となる既存証券のトークン化と精算を行える。

資金側の決済・精算を担うクリアトークン・デポジトリー(ClearToken Depository Limited)は、英金融行為規制機構(FCA)から決済機関として認可を受けている。同社は2025年12月にサービスを開始した。

一方、清算を担うクリアトークンCCP(ClearToken CCP Limited)は、中央清算機関(CCP)としての認可をイングランド銀行に申請中だ。清算事業は、同銀行の認可を前提としている。

なお、暗号資産(仮想通貨)ウォレット「メタマスク(MetaMask)」などを開発してきたコンセンシス・ソフトウェア(Consensys Software:CSI)は、個人向け事業と機関向け事業を独立した2社に分離する計画を9月9日に発表している。

この再編では、既存のCSIがメタマスクへブランドを変更し、個人向け事業を担う。一方、プロトコル開発と機関向けブロックチェーン基盤事業は、新設のコンセンシスに移る。両社は9月9日から独立した運営を開始しており、分離は2026年末までに完了する見込みだ。

新コンセンシスには、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)「リネア(Linea)」や、イーサリアム関連ソフトウェア「ベス(Besu)」、「テク(Teku)」を手がけるチームと技術が引き継がれる。同社は、金融機関や企業によるブロックチェーン導入や、トークン化金融市場への参加を支援するという。

今回の提携発表には、新コンセンシスの社長であるデビッド・カニンガム(David Cunningham)氏のコメントが掲載されている。また、コンセンシスは、再編発表と同じくプロトコル開発と機関向けインフラを担う企業として紹介されている。これらの記載から、今回の提携は新設のコンセンシスによる取り組みとみられる。

参考:クリアトークン
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。