トークン化株式、時価総額増加でアバランチが首位、保有者増はソラナ=RWA財団

過去7日間のトークン化株式市場を分析

RWA(現実資産)のトークン化に関する情報を発信するRWA財団(RWA Foundation)が、過去7日間のトークン化株式市場に関するデータを9月28日に公開した。

トークン化株式は、企業の株式などをブロックチェーン上でトークンとして扱えるようにしたものだ。ただし、その仕組みは商品によって異なり、実際の株式の所有権をトークンとして記録するものや、株式などを裏付け資産として発行されるもの、株価への経済的なエクスポージャーを提供するものなどがある。トークン化株式全体の時価総額は36億ドル(約5,700億円)となっている。

RWA財団が公開したデータは、オンチェーンデータプラットフォーム「トークンターミナル(Token Terminal)」のデータを基に、銘柄や発行体、ブロックチェーンごとの時価総額と保有アドレス数の増加をまとめたものだ。

RWA財団がまとめたデータによると、過去7日間の時価総額増加では、セキュリタイズ(Securitize)の「SECZ」が1億3,200万ドル(約209億円)増加し、銘柄別で首位となっている。2位のバイナンス(Binance)が提供する「SPCXb」の1,330万ドル(約21億円)増となり約10倍に相当した。

セキュリタイズは、株式やファンドなどの証券をブロックチェーン上で発行・管理するためのインフラを提供する企業だ。SECZは、同社がニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する自社の普通株式をトークン化したもので、今年7月の上場と同時にアバランチ(Avalanche)とソラナ(Solana)で提供が開始された。セキュリタイズによると、SECZは合成資産や別の種類の株式ではなく、NYSEで取引されるものと同じ普通株式をトークン化したものだ。

SECZの増加に伴い、発行体別ではセキュリタイズが発行するトークン化株式の時価総額が1億3,110万ドル(約208億円)増加し、首位となった。xストックス(xStocks)が発行するトークン化株式の時価総額は1,750万ドル(約28億円)増加し、2位となった。

ブロックチェーン別では、アバランチ上のトークン化株式の時価総額が1億3,120万ドル(約208億円)増加し、17のブロックチェーンの中で首位となった。ソラナが1,600万ドル(約25億円)増、Xレイヤー(X Layer)が850万ドル(約13億円)増で続いた。アバランチの増加額は、SECZとセキュリタイズの増加額とほぼ同じ規模となっている。

一方、保有アドレス数の増加では異なる傾向がみられた。トークンターミナルでは、トークンを保有する固有のアドレスを基に保有者数を集計している。このため、同データの保有者数は必ずしも実際の投資家の人数を示すものではない。

銘柄別では、米国株や上場投資信託(ETF)をトークン化して提供するxストックスの「NVDAx」が1万8,000アドレス増で首位となり、「METAx」が1万3,700アドレス増で続いた。3位はヒムズ&ハーズ・ヘルス(Hims & Hers Health)株に対応する「HIMS」で、1万3,300アドレス増だった。xストックスでは、各トークンが対応する株式やETFを1対1で裏付けとしている。

発行体別の保有アドレス数の増加では、ロビンフッド(Robinhood)が8万3,200アドレス増で首位となった。エックスストックスが7万3,400アドレス増、バックパック(Backpack)が4万4,100アドレス増で続いた。一方、時価総額増加で首位だったセキュリタイズは、保有アドレス数増加の上位5発行体には入らなかった。

ブロックチェーン別では、ソラナ上のトークン化株式の保有アドレス数が12万3,500増加して首位となった。ロビンフッドがトークン化株式などの金融サービス向けに開発したイーサリアム(Ethereum)のL2「ロビンフッドチェーン(Robinhood Chain)」が8万3,200増、BNBチェーン(BNB Chain)が2万3,200増で続いた。一方、時価総額増加で首位だったアバランチは、保有アドレス数増加の上位5チェーンには入らなかった。

RWAファウンデーションは、セキュリタイズが時価総額を大きく伸ばした一方で保有アドレス数増加の上位に入らなかったことについて、機関投資家と個人投資家の資金の動きがオンチェーンで異なる形で現れているとの見方を示している。また、アバランチについても、時価総額増加では首位だった一方で保有アドレス数増加の上位に入らなかったことから、その増加の大部分を機関投資家の資金が牽引した可能性を指摘している。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。