米控訴裁が国防総省の「サプライチェーンリスク」判断を支持
生成AI「クロード(Claude)」を開発する米アンソロピック(Anthropic)が、米国防総省による調達網からの排除措置を争った訴訟で敗訴した。米DC巡回区連邦控訴裁判所が9月25日、2対1で同社の申し立てを退けた。
今回支持された措置は、国防総省のシステムからクロードを排除し、同省の契約業務を担う請負業者にも、その業務でのクロード利用を禁じるものだ。
対立の背景には、クロードの利用範囲を巡る見解の相違がある。国防総省は、すべての合法的な用途での利用を認めるよう求めた。一方、アンソロピックは、完全自律型兵器と米国人に対する国内の大規模監視への利用制限を維持する方針を示していた。
同社は2月27日付の声明で、現在の先端AIモデルは完全自律型兵器に利用できるほどの信頼性に達していないと説明した。また同社は、国内の大規模監視は基本的権利を侵害するとの見解を示し、「サプライチェーンリスク」への指定を裁判で争う意向を表明していた。
国防総省は3月3日、2018年連邦調達サプライチェーン安全保障法に基づき、クロードの利用が国家安全保障上のリスクに当たると判断した。アンソロピックは同月9日、排除措置の司法審査を申し立てた。
裁判所の多数意見は、クロードに組み込まれた制限によって、政府が求める業務を実行できなくなるおそれを国防総省が問題視したことには合理的な根拠があると判断した。また、同法に基づくリスク指定には、アンソロピックに悪意があることは必要ないとした。
なお、カリフォルニア北部地区連邦地裁は8月27日、別の法律に基づく「サプライチェーンリスク」指定について違法と判断していた。両事件では措置の根拠法とリスクの定義が異なり、今回の判決は8月の判断を覆すものではない。
アンソロピックは、新規株式公開(IPO)に向けた準備も進めている。同社は6月1日、米証券取引委員会(SEC)に登録届出書「フォームS-1」の草案を非公開で提出したと発表した。当時の発表では、IPOで提供する株式数と価格は未定とされ、IPOの実施は市場環境などに左右されると説明されている。
参考:米DC巡回区連邦控訴裁判所の判決文・アンソロピック声明
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