ポリゴン、AIエージェント向け決済チャネル開発。テストで毎秒1100万件超を処理

AIエージェント向け決済で毎秒1,100万件超を処理

ポリゴンラボ(Polygon Labs)が、AIエージェントによる高頻度な少額決済に対応する「エージェント・ペイ・チャネル(agent pay channels)」を開発した。25個のハブを使用したテストでは、毎秒1,100万件を超える検証済みの支払い更新を処理した。ポリゴン公式ブログで9月24日に発表された。

AIエージェントは、人間からの指示などに基づいて必要な処理を判断し、外部のサービスやツールを利用してタスクを実行するソフトウェアだ。ポリゴンラボは、AIエージェントが1つのタスクを実行する際、AIによる推論処理やデータ、API、ツールなどを複数の事業者から購入することで、数百回の小規模な支払いが発生する可能性があると説明している。

同社によると、エージェント・ペイ・チャネルでは、個々の支払いを処理する速度と、ブロックチェーン上で決済する頻度を分離する。支払者はポリゴン上の決済チャネルにあらかじめ資金を預ける。同機能では、AIエージェントがサービスを利用するたびに支払い情報を更新する。蓄積された支払いは、まとめてポリゴンチェーン(Polygon Chain)上で決済される。このため、個々の支払いごとにオンチェーントランザクションを発生させる必要がない。

また、サービス側からの支払い要求には、HTTPを利用したオープンな決済プロトコル「x402」を使用する。x402がサービスの価格提示と支払い要求を担い、AIエージェントから送られた支払い情報は「ハブ」と呼ばれるシステムが検証して処理する。

ポリゴンラボは、AI推論APIの利用を想定し、稼働中の開発ネットワーク上でエージェント・ペイ・チャネルをテストした。AIが100トークンを処理するごとに、x402を利用して決済チャネル経由で署名済みの支払いを発生させた。支払い処理には実際の仕組みを使用した一方、AI推論サービスの提供者には模擬環境を使用した。

テストでは、x402を含む一連の処理で毎秒約4万件を記録し、240万件の支払いをすべて処理したとのこと。1つのハブの支払い処理エンジンを直接テストした場合は毎秒53万3,000〜53万6,000件、25個のハブを独立して動作させた場合は毎秒1,100万件を超えた。なお、毎秒1,100万件超という数値は、ポリゴンチェーン上のトランザクション数ではなく、25個のハブがオフチェーンで処理した支払い更新の合計値だ。テスト環境では、10億件の支払い更新を処理するコストは約0.15ドルだった。

ポリゴンラボによると、各ハブは異なる支払者を分担し、支払い処理中にハブ同士で連携する必要がないとのことだ。このため、独立したハブを追加することで処理能力を拡大できる。同社は、25個のハブによるテスト結果を基に、より多くのハブを利用すれば毎秒1億件を超える支払い更新にも対応できると説明している。

同社は今後、エージェント・ペイ・チャネルを、ウォレットや資金の入出金、決済などを統合するステーブルコイン決済基盤「ポリゴン・オープン・マネー・スタック(Polygon Open Money Stack)」へ接続する予定だ。

参考:ポリゴン
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。