クリプトカード決済、「USDC」とBaseがそれぞれ首位。累計チャージ額138億ドル

累計チャージ額は1年で約100億ドル増加

暗号資産(仮想通貨)データ分析プラットフォームのクリプトランク(CryptoRank)が、クリプトカードの利用動向に関するレポートを8月21日に公開した。同レポートは、クリプトカード分析サイトのペイメントスキャン(Paymentscan)が追跡するデータを基にしている。

同レポートの図表によると、ステーブルコインを利用するクリプトカードへの累計チャージ額は138億ドル(約2兆1,942億円)に達した。2025年8月時点では35億ドル(約5,565億円)だったため、過去12カ月で約100億ドル(約1兆5,900億円)増加したことになる。

なお、ここでいうチャージ額は、利用者がカードサービスに預け入れた金額であり、実際のカード決済額とは異なる。チャージされた資金はオンチェーンで引き出されるほか、銀行経由で法定通貨へ換金される可能性もある。ペイメントスキャンは、チャージ額と実際の決済額を分けて集計している。

ペイメントスキャンの全体集計では、オフチェーンデータを含む2026年7月のクリプトカード決済額は10億3,800万ドル(約1,650億円)だった。同月の決済件数は約1,052万件に達している。

オンチェーン決済の約半分をUSDCが占める

通貨別に確認できるオンチェーン決済では、米サークル(Circle)発行の米ドル建てステーブルコイン「USDC」が首位となった。2026年7月の集計額は計6億4,230万ドル(約1,021億円)で、このうちUSDCが50.8%にあたる約3億2,660万ドル(約519億円)を占めた。

米テザー(Tether)発行の米ドル建てステーブルコイン「USDT」は、20.3%にあたる約1億3,030万ドル(約207億円)で続いた。クリプトランクは、USDTのシェアが小規模な水準から急速に拡大していると説明している。

ただし、この通貨別集計はペイメントスキャンの追跡対象25プログラムのうち21件を対象としたオンチェーンデータに限られる。通貨別の内訳を提供していないレドットペイ(RedotPay)やビーファイナンス(BFinance)のオフチェーン決済などは含まれない。このため、USDCの首位はペイメントスキャンが通貨別に追跡できる範囲における結果となる。

クリプトランクは、USDCがフィンテックサービスや決済インフラとの連携を拡大してきたことが、クリプトカード分野での利用につながっていると分析。一方、USDTは暗号資産取引所での清算や国際送金、新興国市場で広く利用されており、ステーブルコイン全体の発行残高では引き続きUSDTが首位となっている。

Baseがチェーン別の決済額で首位

ペイメントスキャンがオンチェーンで追跡するチェーン別の累計ステーブルコイン決済額では、ベース(Base)が約12億ドル(約1,908億円)で首位となった。以下、ソラナ(Solana)が約6億3,500万ドル(約1,010億円)、ポリゴン(Polygon)が約5億4,400万ドル(約865億円)、オプティミズム(Optimism)が約5億900万ドル(約809億円)で続いた。

クリプトランクは、ベースの強みについて、ウォレットやフィンテックアプリ、コインベース(Coinbase)エコシステムとの連携にあると分析。USDCを軸にカードを展開する発行事業者にとって、ベースは自然な清算環境になりつつあると説明している。

またトロン(TRON)は、USDTの流動性を背景に、カードへの資金供給やチャージで主要なネットワークとなっている。ただし実際のカード決済は複数のブロックチェーンに分散しており、単一のチェーンが市場の大半を占める状況にはないという。

クリプトカードはブロックチェーンを資金供給や清算に利用する一方、加盟店での決済にはビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)など既存のカード網を利用する。カード発行会社や決済処理事業者、本人確認なども必要であり、加盟店側では通常のカード決済として処理される。

クリプトランクは、クリプトカードの競争軸が対応するトークン数から、資産管理方法、外国為替コスト、還元率、資本効率などへ移行していると指摘。キャッシュバックなどの利用促進策が縮小した後も決済額の成長を維持できるかが、今後の焦点になるとの見方を示している。

参考:CryptoRank「Crypto Cards Are Turning Stablecoins Into Everyday Payment」

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。