ワイオミング州発行ステーブルトークン「FRNT」、クロスチェーン基盤をCCIPへ移行。LayerZeroから切り替え

州発行ステーブルトークンFRNTのクロスチェーン基盤を変更

ワイオミング・ステーブル・トークン委員会(Wyoming Stable Token Commission)が、州発行ステーブルトークン「フロンティア・ステーブル・トークン(Frontier Stable Token:FRNT)」のクロスチェーン基盤を、レイヤーゼロ(LayerZero)からチェーンリンク(Chainlink)のクロスチェーン・インターオペラビリティ・プロトコル(Cross-Chain Interoperability Protocol:CCIP)へ移行したと8月18日(米東部時間)に発表した。今回の移行により、CCIPはFRNTの唯一のクロスチェーン基盤となった。

ワイオミング・ステーブル・トークン委員会は、米ワイオミング州法に基づき設立された州政府内の公的組織だ。同委員会は、州発行ステーブルトークン「FRNT」の設計や発行を担う。

FRNTは、米国の公的機関が発行する初の法定通貨担保型・完全準備型ステーブルトークンとされる。現在は、アービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、イーサリアム(Ethereum)、ヘデラ(Hedera)、オプティミズム(Optimism)、ポリゴン(Polygon)、ソラナ(Solana)の8つのブロックチェーンで展開されている。

複数のブロックチェーン上で展開される同じトークンをチェーン間で移転するには、クロスチェーン基盤が利用される。レイヤーゼロとCCIPはいずれも、異なるブロックチェーン間でトークンやデータをやり取りするためのクロスチェーン基盤だ。

FRNTではこれまで、レイヤーゼロのオムニチェーン・ファンジブル・トークン(Omnichain Fungible Token:OFT)規格を利用していた。今回の移行により、そのクロスチェーン基盤をCCIPへ切り替えた形だ。

なお、FRNTのクロスチェーン転送は今後、CCIPを利用するブリッジアプリケーション「トランスポーター(Transporter)」を通じて利用可能になるとのことだ。

セキュリティレビューを受けCCIPへ移行

ワイオミング・ステーブル・トークン委員会は、詳細なセキュリティレビューを実施した結果、CCIPへの移行を決定したと説明した。

同委員会は、レイヤーゼロについて、情報開示の慣行や運用セキュリティに懸念を確認した一方で、CCIPについては委員会が求める要件を満たした唯一のクロスチェーン基盤だったと説明した。また、SOC 2 Type 2の保証報告書、複数の監査を受けたコード、少なくとも16の独立したノード運営者による冗長検証、組み込み型のリスク管理機能などを採用理由として挙げた。

なお、レイヤーゼロを巡っては今年4月、同基盤を利用していたリキッドリステーキングプロトコル「ケルプDAO(KelpDAO)」の「rsETH」ブリッジでクロスチェーン関連インシデントが発生した。その後、ケルプDAOやソルブ・プロトコル(Solv Protocol)、ビットゴー(BitGo)などが、CCIPへの移行方針を相次いで表明している。

一方で今回の発表でワイオミング・ステーブル・トークン委員会は、ケルプDAO(KelpDAO)の事案との関連性については言及していない。

参考:プレスリリース公式ページ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。