WLFI関連会社が連邦信託銀行設立の予備的条件付き承認を取得
米通貨監督庁(OCC)が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の一族が関与する暗号資産(仮想通貨)ベンチャー「ワールド・リバティ・フィナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)」の関連会社WLTCホールディングス(WLTC Holdings LLC)による、米連邦信託銀行「ワールド・リバティ・トラスト・カンパニー・ナショナル・アソシエーション(World Liberty Trust Company, National Association:WLTC)」の設立申請を、8月14日に予備的条件付き承認した。これにより、WLFIのステーブルコイン事業拡大に道が開かれることになる。
OCCはウェブサイトに掲載した書簡で、WLTCホールディングスが1月に申請した米連邦信託銀行(ナショナル・トラスト・バンク)のチャーター(設立認可)について、予備的条件付き承認を付与したと明らかにした。営業開始には、開業前要件を満たしたうえでOCCの最終承認を得る必要がある。
正式承認が得られれば、WLTCは、機関顧客向けにUSD1の発行・償還と準備資産の管理、デジタル資産のカストディ、カストディ顧客向けのステーブルコイン転換サービスを提供できるようになる。ただし、WLTCは一般的な商業銀行のような預金の受け入れや融資を行わない。
この免許を取得すれば、暗号資産企業は単一の連邦免許の下で全米規模で顧客資産を保管できるほか、清算や資産管理サービスも提供できるようになり、大手機関投資家の顧客獲得が容易になる。トランプ政権の暗号資産に友好的な姿勢を追い風に、暗号資産企業の間ではこうした免許の取得を目指す動きが広がっている。
WLTCの場合、免許が正式に承認されれば、米ドル連動型ステーブルコイン「USD1」を機関顧客向けに全米で直接発行・償還できるようになるほか、その準備資産の管理も可能になる。こうした業務は現在、提携先でUSD1の独占発行者・カストディアンを務めるビットゴー・バンク&トラスト(BitGo Bank & Trust, National Association)が行っている。
WLFIはトランプ氏と3人の息子、ウィットコフ家らによって2024年後半に共同設立された。経営にはトランプ氏の長年の盟友であるウィットコフ家が深く関与しており、トランプ政権で中東担当特使を務めるスティーブ・ウィットコフ(Steve Witkoff)氏の息子、ザック・ウィットコフ(Zach Witkoff)氏がWLFIの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)を務めている。ザック氏はWLTCの社長兼会長として発表されている。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
米通貨監督庁、トランプ一族の暗号資産企業に信託銀免許を条件付き承認
(Reporting by Lawrence Delevingne Pete Schroeder)
画像:Reuters