個人向け取引機能や開発者向け「x402 SDK」も拡充
米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、企業向けサービス「コインベース・ビジネス(Coinbase Business)」でAIエージェントからの米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」決済の受け付けを開始するなど、AIエージェント関連の3つのアップデートを日本時間7月24日に発表した。
今回発表された3つのアップデートは、企業・個人・開発者をそれぞれ対象とするものだ。コインベースは、人間とAIエージェントの双方に対応する金融インフラの構築を進めるという。
コインベースは、AIエージェントが人間に代わって取引や決済などを実行するようになる一方、現在のインターネットの金融インフラは人間による操作を前提に設計されていると説明。企業はAIエージェント向けの決済フローを個別に構築する必要があり、開発者も複数の金融インフラを組み合わせなければならない状況だという。そのため同社は、企業、個人、開発者のそれぞれに向けてAIエージェントが利用できる金融機能を整備している。
また同社は、先月、同社レイヤー2ネットワーク「ベース(Base)」の開発者向けドキュメントにおいて、AIエージェントによるトラフィックが初めて人間によるトラフィックを上回ったことを明らかにした。こうした変化を踏まえ、同社は今後、AIエージェントが人々にとってインターネットへアクセスし、利用する主要な手段となるほか、デジタル経済で最も活発な参加者になるとの見方を示している。
企業向けでは、法人向け決済・資産管理サービス「コインベース・ビジネス(Coinbase Business)」において、今週から順次、AIエージェントからのUSDC決済を受け付けられるようになる。この決済機能は、同社の決済基盤「コインベース・ペイメンツ(Coinbase Payments)」を基盤としており、同決済基盤が標準対応するオープンな決済規格「x402」を利用する。x402は、HTTPのステータスコード「402 Payment Required」を利用し、AIエージェントなどがAPIやウェブサービスへステーブルコインで自動的に支払えるようにする規格だ。
これにより、企業はAIエージェント向けの決済フローを新たに構築することなく、USDC決済を受け入れられるとのことだ。また、コインベース・ビジネスでは、決済の管理や照合、受け取った資金の現金化を単一アカウントで行えるほか、対象となるUSDC残高へのリワードも提供している。AIエージェントから受け取るUSDC決済は即時に清算され、チャージバックリスクもないという。なおコインベース・ビジネスは現在、米国とシンガポールで提供されている。
個人向けでは、先月公開した、MCPおよびCLIとして利用できる「コインベース・フォー・エージェンツ(Coinbase for Agents)」に、リアルタイムの市場情報や条件付きアクション機能を追加した。これにより、ユーザーは自然言語で売買条件を設定し、条件を満たした際に、ユーザーが設定した制限の範囲内で、AIエージェントが売買や注文のキャンセルなどを実行できるとのことだ。
開発者向けでは、「コインベース・デベロッパー・プラットフォーム(Coinbase Developer Platform:CDP)」で「CDP x402 SDK」の提供が開始された。同SDKにより、APIやMCPサーバー、ウェブサービスへx402による決済機能を3行のコードで追加できるとのこと。CDP SDKではこのほか、AIエージェント向けのマネージドウォレットや支出制御機能も提供している。なお、CDP SDKのx402統合は現時点でTypeScript向けとなっている。
コインベースは、これまでAIエージェント向けの技術は個別に存在していたものの、それらを一体的に提供する仕組みはなかったと説明。今回のアップデートを、AIエージェントによる取引や決済を支える金融インフラの構築に向けた取り組みの一環と位置付けている。
— Coinbase 🛡️ (@coinbase) July 23, 2026
画像:PIXTA