ハイパーリキッド、HIP-4をパーミッションレス化へ。第三者がアウトカム市場を展開可能に

テストネット導入後にメインネットへ展開予定

ハイパーリキッド(Hyperliquid)が、アウトカム取引機能「HIP-4」において、第三者が市場を展開できる「パーミッションレスデプロイメント(Permissionless Deployment)」を将来のネットワークアップグレードで導入する。ハイパーリキッドの公式テレグラムで7月20日に発表された。同機能は、まずテストネットで提供され、その後メインネットへ展開される予定とのこと。

なおアウトカム取引とは、特定の出来事が起きるか、期日時点の価格が条件を満たすかなど、将来確定する結果に応じて価値が決まるトークンを売買する取引だ。

HIP-4は、このアウトカム取引を実現するハイパーリキッドの汎用機能だ。予測市場や一定の価格範囲を対象とするオプション型商品などに利用できる。同機能は今年5月に機能を限定した初期版としてメインネットで公開された。

現在は第三者によるパーミッションレスな市場展開には対応しておらず、バリデータが展開する環境で運用されている。今回導入予定のパーミッションレスデプロイメントにより、一定の条件を満たした第三者「HIP-4デプロイヤー」もアウトカム市場を展開できるようになる。

なおハイパーリキッドでは、現物市場とHIP-3の無期限先物市場で第三者による市場展開にすでに対応している一方、アウトカム市場ではこれまで同様の仕組みは提供されていなかった。

ハイパーリキッドは、アウトカム市場で取引対象となり得る出来事が、無期限先物や現物市場で扱う原資産を大きく上回ることから、アウトカム市場の成長にはパーミッションレスな市場展開が重要になるとの考えを示した。

パーミッションレスデプロイメントでは、市場の品質と定義の明確さを保つため、市場作成の雛形となる「アウトカムテンプレート」をバリデータ投票で承認する。テンプレートの仕様はオンチェーンに保存され、ルールとして執行される予定だ。HIP-4デプロイヤーは承認済みテンプレートを基に市場を展開し、市場の定義や決済について責任を負う。複数のHIP-4デプロイヤーが同一条件の市場を展開することも認められる予定とのこと。

HIP-4デプロイヤーになるには、50万HYPEのステーキングが必要となる予定とのこと。市場の定義が不適切だった場合や、テンプレートの基準に従わず誤って決済した場合、または本来決済すべき市場を不適切に1週間以上未決済のままにした場合には、バリデータ投票により、ステークしたHYPEがスラッシングされる可能性がある。

さらに、各HIP-4デプロイヤーには当初100アウトカム(200アウトカムトークン)分の市場展開枠が付与される予定とのこと。1つのアウトカムは、YesとNoに対応する2つのアウトカムトークンで構成される。複数の選択肢を持つ市場は複数のアウトカム枠を消費する一方、決済済みの市場の枠は再利用できる。将来的には、オークションによって展開枠を拡大する仕組みも追加される予定だ。

HIP-4デプロイヤーのステークはHIP-3と同様に6カ月間ロックされ、ステークを解除するには展開したすべての市場を決済する必要がある。将来的にHIP-4デプロイヤーは、自ら展開した市場について最大50%の手数料シェアを設定できる。手数料設定機能は今後追加される予定とのこと。

なお、バリデータが直接展開する「カノニカル市場(Canonical Markets)」も引き続き提供される予定だ。ただし、その展開は例外的な運用となり、年間10件未満のアウトカムまたは質問(複数のアウトカムを束ねた市場)にとどめることが理想とされているとのこと。

今回公表された仕様はすべて暫定版であり、コミュニティからのフィードバックを踏まえて変更される可能性があるとのこと。パーミッションレスデプロイメントについては、テストネットで利用可能となり、関連ドキュメントが更新された段階で改めて発表される予定とのこと。具体的な提供開始日は公表されていない。

 参考:テレグラムグループ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。