イーサL2「Base」責任者、オンチェーンソーシャル戦略の誤り認める

「ソーシャルへの賭けは間違っていた」と振り返る

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)開発のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「ベース(Base)」の責任者、ジェシー・ポラック(Jesse Pollak)氏が、ベースの今後の戦略を自身のXアカウントで7月16日に説明した。

ポラック氏は、同チェーンでこれまで推進してきたオンチェーンソーシャル戦略について「間違っていた」と振り返るとともに、今後はグローバル金融向けブロックチェーンの構築へ注力する方針を示している。あわせて同氏は、ベース・アプリ(Base App)の責任者を退くことも明らかにした。

これまでポラック氏は、オンチェーンソーシャルが暗号資産(仮想通貨)の普及を促す重要な入り口になるとの考えから、クリエイター向けサービスやソーシャルアプリの普及を推進してきた。

しかし今回ポラック氏は、「ビルダー(開発者)に賭けたことは正しかったが、ソーシャルに賭けたことは明らかに間違っていた」と説明している。また、ファーキャスター(Farcaster)、ゾラ(Zora)、ミニアプリ、クリエイターコインなどを挙げ、「私たちが構築を目指してきたオンチェーンソーシャル市場全体は完全に崩壊した」と振り返った。

一方で同氏は、予測市場やパーペチュアル、ステーブルコインなどの金融サービスが、暗号資産普及の次の波を生み出したとの認識を示している。また、同氏はソーシャルへの注力によって、ベースがパーペチュアルや予測市場で競合に後れを取っていたと説明している。一方、企業がベースをトークン化や決済に活用するには、大きな改善余地があったとのことだ。

ただし同氏は、この判断がタイミングによるものなのか、それとも戦略そのものが誤っていたのかについては、「時間が経たなければ分からない」とも述べている。

こうした認識から同氏は、ステーブルコインや予測市場、パーペチュアル、トークン化などの金融分野だけでも、暗号資産の普及を広げられるとの考えを示している。

こうした戦略転換の一環としてポラック氏は、ベース・アプリの運営をコインベース側へ戻した。今後は、暗号資産投資家として知られるコビー(Cobie)氏が同アプリ責任者を担当する。ベース・アプリは、コインベース・ウォレット(Coinbase Wallet)を刷新したアプリで、ウォレット機能に加え、取引やソーシャル、チャット、オンチェーンアプリの利用機能を備えている。

一方で同氏は、その後の投稿で「一部の人は、この投稿を最後まで読んでいない」と述べ、自身がベースから離れるわけではないと補足した。ベース・アプリをコビー氏へ任せるのは、ベースの成長へ完全に集中するためとのことだ。

なおポラック氏は、今後のベースについて「グローバル金融のためのブロックチェーン」を目指すと説明している。世界中の資金が決済される基盤とすることを長期目標に掲げたとのことだ。また同氏は、今年の重点分野として、「取引(Trading)」、「決済(Payments)」、「エージェント(Agents)」の3つを挙げている。

 画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。