キリフダ、規制対応型DeFiレンディングサービス「LaaS」提供開始、国内向けにMorpho導入支援

国内事業者によるDeFiレンディング導入を支援

企業向けにオンチェーン金融機能の導入支援を手掛けるキリフダ(Kirifuda)が、取引アプリやウォレットアプリに組み込める規制対応型DeFi(分散型金融)レンディングサービス「LaaS」の提供開始を7月14日に発表した。

キリフダによると、国内事業者向けにDeFiレンディングプロトコルの規制対応まで行ったサービスとしては日本初になるという。第一弾として、国内事業者がDeFiレンディングプロトコル「モルフォ(Morpho)」を自社サービスへ導入できるよう支援する。

同社は、LaaS提供開始の背景として、世界的なステーブルコイン市場の拡大や国内におけるオンチェーン金融の基盤整備を挙げている。世界のステーブルコイン市場は約2,900億ドル(約47.0兆円)規模まで拡大しており、日本でも円建てステーブルコインの整備が進むなど、オンチェーン金融への関心が高まっているという。一方で、国内事業者が海外のDeFiプロトコルを活用するには、国内規制との整合性を個別に整理する必要がある。

キリフダは、こうした課題を解決するため、LaaSを提供する。同サービスは、ウォレット事業者や暗号資産(仮想通貨)交換業者などが、DeFiレンディング機能を自社の取引アプリやウォレットアプリへ組み込めるようにするサービスだ。ウォレット事業者や暗号資産交換業者は、LaaSで提供されるAPIやSDKを利用することで、ブロックチェーンの専門人材やスマートコントラクト開発人材を自社で抱えることなく導入できるとのことだ。

モルフォは、暗号資産の貸し出しによる利回り獲得と、暗号資産を担保とした別の資産の借り入れを可能にする世界最大級のDeFiレンディングプロトコルだ。預け入れ資産総額は2026年4月時点で約130億ドル(約2.11兆円)規模で、米暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の暗号資産担保ローンや、フランス金融グループのソシエテ・ジェネラル(Société Générale)傘下SGフォージ(SG-FORGE)が発行するステーブルコインの貸借基盤にも採用されている。

キリフダは、モルフォのスマートコントラクト構造やマーケット構造、ボールト(Vault)構造、権限設計、手数料設計、リスク要因などを分析する。そのうえで、国内規制上の論点や利用者保護の観点を整理し、国内事業者が導入できる形で提供すると説明している。また、必要に応じて金融庁などの関係当局との協議も踏まえるとしている。

国内事業者が海外のDeFiプロトコルを導入する際に必要な規制上の具体的論点として、電子決済手段や暗号資産の売買・交換・媒介該当性、カストディ該当性、集団投資スキーム持分該当性、ファンド該当性などが挙げられている。同社は、こうした論点を整理し、海外で利用されるDeFiプロトコルを国内事業者が扱える形へ橋渡しするコンセプトとして、「DeFiレギュラトリー・ゲートウェイ(DeFi Regulatory Gateway)」を掲げている。

LaaSでは、規制対応だけでなく、導入から運用までを支援する機能を提供する。具体的には、規制上の論点を整理したゲートウェイ基盤に加え、API・SDK、管理画面、インテグレーション支援、運用サポートを提供する。これにより、ステーブルコイン残高の運用やウォレットアプリへのDeFiレンディング機能の組み込み、ポイント運用や残高運用サービスへのレンディング機能の追加など、国内事業者によるDeFi活用を支援する。

なお、キリフダは今後、モルフォに続き、「カミノ(Kamino)」など他のDeFiプロトコルについても、技術仕様やリスク特性、規制上の論点を整理し、対象プロトコルや対象資産、対象ユースケースを順次拡大する方針としている。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。