ビットバンクがMCPサーバ・CLI公開し実証実験、AIエージェントによる新たな取引体験の実現へ

AIエージェント活用の新たな取引体験を検証

暗号資産(仮想通貨)取引所「bitbank」を運営するビットバンクが、AIエージェント向けのMCP(Model Context Protocol)サーバおよびCLI(Command Line Interface)のベータ版を公開し、実証実験を開始したと7月10日に発表した。

今回公開されたMCPサーバとCLIは、AIエージェントがbitbankのマーケットデータや取引機能を利用する新たな取引体験を検証するためのものだ。いずれも利用者のローカル環境で動作し、OSS(オープンソースソフトウェア)としてギットハブ(GitHub)上で公開されている。

なおMCPとは、AIアプリケーションが外部のデータソースやツールと接続するための共通プロトコルだ。MCPサーバは、MCPを通じて外部データや機能をAIアプリケーションへ提供するインターフェースとなる。

今回公開されたMCPサーバ「bitbank-lab-mcp」は、「クロード・デスクトップ(Claude Desktop)」などのMCP対応AIチャットツール上で、自然言語を通じて「bitbank」の市場データ取得や分析、資産状況の確認、取引操作などを行うことを想定しているとのこと。

ビットバンクの技術ブログによると、公開データの取得にはAPIキーが不要で、APIキーを連携することで資産残高や約定履歴などの確認も可能になる。また注文や注文キャンセルを実行する場合は、AIが注文内容を提示した後、利用者がチャット画面上の実行ボタンを押す確認手順が設けられている。出金機能は実装されていないという。

一方、CLI「bitbank-lab-cli」は、「クロード・コード(Claude Code)」や「コーデックス(Codex)」、「カーソル(Cursor)」などのAIを活用した開発環境での利用を想定しているという。bitbankのマーケットデータを取得し、利用者が独自の分析や仮説検証を行うほか、将来的には自動売買エージェントの構築に活用する可能性も検証するとのこと。

同CLIでは、公開マーケットデータの取得、資産・注文情報の参照、発注や注文キャンセル、ライブ価格を利用したペーパートレードなどの機能が提供されているという。取引コマンドは初期設定で実際の注文を行わないドライランとなっており、注文実行には追加の確認操作が必要になるとこと。

ビットバンクは今回の取り組みの背景として、生成AIの進化により、金融サービスのユーザー体験が、人が画面を直接操作するものから、AIが目的を理解して判断や行動を支援するものへ変化しつつあると説明している。

アドビ(Adobe)によると、2026年第1四半期における米国小売サイトへのAI経由トラフィックは前年同期比393%増加した。またアンソロピック(Anthropic)によると、MCPの公開から約1年で1万を超える公開MCPサーバが稼働しているという。

ビットバンクは今後、今回のローカル環境での検証と並行して、リモートMCPサーバでの提供も視野に入れる。まずは公開データとの連携から構築を進め、その後、利用者の資産情報や取引履歴などのプライベートデータ、取引機能、チャット上での動的なUIを通じた確認・操作体験へ段階的に拡張する予定だ。

将来的には、利用者が設定した運用方針や条件、リスク許容度に基づき、AIエージェントがマーケット分析、ポートフォリオ管理、リスク管理、取引判断、注文操作までの一連のプロセスを、より自律的に担う取引体験の実現を目指すとのことだ。

なおビットバンクは6月25日、SBIホールディングスの完全子会社となることに向け、基本合意書および株式譲渡契約を締結したと発表している。取得価額の合計は467億円で、株式譲渡は8月頃、一連の取引完了は10月頃を予定している。取引完了後、ビットバンクはSBIホールディングスの間接保有による完全子会社となる見込みだ。なお暗号資産取引所「bitbank」は、引き続き従来どおりサービスを提供するという。

参考:ビットバンク技術ブログ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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