カルシが約400億ドル評価で資金調達協議か、企業価値は約1ヶ月半で約1.8倍に=報道

カルシが約400億ドル評価で資金調達協議か

米CFTC(商品先物取引委員会)認可のイベント契約プラットフォーム運営のカルシ(Kalshi)が、約400億ドル(約6.5兆円)の企業評価額で新たな資金調達に向けた協議を進めていると、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)」が6月24日に報じた。

報道によると、カルシは早ければ今年第3四半期にも新たな資金調達ラウンドを完了する可能性があるという。同社は今回の資金調達協議についてコメントを控えている。

カルシは今年5月、シリーズFラウンドで10億ドル(約1,617億円)を調達し、企業評価額が220億ドル(約3.6兆円)に達したと発表していた。同ラウンドには、コーチュー・マネジメント(Coatue Management)が主導し、セコイアキャピタル(Sequoia Capital)、アンドリーセンホロウィッツ(Andreessen Horowitz)、IVP(Institutional Venture Partners)、パラダイム(Paradigm)、モルガンスタンレー(Morgan Stanley)、アークインベスト(ARK Invest)が参加している。

なおカルシの企業評価額は、2025年6月のシリーズCでは20億ドル(約3,235億円)、同年10月のシリーズDでは50億ドル(約8,087億円)、同年12月のシリーズEでは110億ドル(約1.8兆円)、今年5月のシリーズFでは220億ドル(約3.6兆円)へと拡大していた。今回報じられた条件で資金調達が実現すれば、企業評価額は400億ドルとなり、前回ラウンドから約1ヶ月半で約1.8倍となる。

フィナンシャル・タイムズによると、カルシの先月の取引高は170億ドル(約2.7兆円)を超え、1年前の50億ドル(約8,087億円)未満から大きく増加したという。また同紙は、カルシや競合のポリマーケット(Polymarket)が顧客基盤を急速に拡大し、デリバティブ取引所運営のCMEグループ(CME Group)など既存事業者に挑戦していると伝えている。

なお予測市場を巡っては、ポリマーケットも大型の資金調達を進めている。今年3月には、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange:NYSE)運営のインターコンチネンタル・エクスチェンジ(Intercontinental Exchange:ICE)が、同社へ6億ドル(約970億円)の追加出資を完了したと発表している。

州政府との法廷闘争も継続

カルシは、スポーツ関連イベント契約を巡り、各州との法廷闘争も続けている。今年4月には、第3巡回区連邦控訴裁判所が、ニュージャージー州で提供されるカルシのスポーツ関連イベント契約について、米商品先物取引委員会(CFTC)が排他的管轄権を有するとの判断を示した。

一方、米暗号資産(仮想通貨)メディア「ザ・ブロック(The Block)」は6月24日、カルシがイリノイ州およびJB・プリツカー(JB Pritzker)知事を相手取り提訴したと報じた。報道によると、カルシは、イリノイ州が予測市場を対象とした規制制度を導入する法案について、自社が提供するイベント契約は州の賭博規制ではなく、CFTCの排他的管轄権の下で規制されるべきデリバティブだと主張しているという。

カルシを巡っては、アリゾナ州やマサチューセッツ州、ネバダ州、ワシントン州など複数の州でも同様の係争が続いており、予測市場を巡っては、イベント契約を金融商品として扱う連邦規制と、賭博として扱う州規制との管轄争いが全米で続いている。

参考:フィナンシャル・タイムズザ・ブロック
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。