テザー、XAUT担保ドル連動資産「aUSDT」終了へ、中核製品にリソース集中で

テザーがaUSDTとアロイ・バイ・テザーを終了へ

ステーブルコイン「USDT」発行元のテザー(Tether)が、デジタル資産「aUSDT」および関連プラットフォーム「アロイ・バイ・テザー(Alloy by Tether)」の段階的終了を開始すると6月17日に発表した。

aUSDTは、金トークン「テザーゴールド(Tether Gold:XAUT)」を担保とする「過剰担保型」のデジタル資産で、1ドルの価値を追跡するよう設計されている。ユーザーはXAUTを担保としてアロイ・バイ・テザーに預け入れることでaUSDTを発行できたが、今回の発表によりaUSDTは段階的に終了する予定だ。

テザーによると今回の決定は、ユーザー活動、市場需要、および同社のより広範な優先事項を見直した結果として行われたものだという。同社は今後、「より強いユーザー需要、より深い流動性、そしてより広範な長期的市場機会が見られる分野にリソースを集中する」と説明しており、その対象としてXAUTおよび同社エコシステムのその他の中核製品を挙げている。

今回の段階的終了の第一段階として、6月17日よりアロイ・バイ・テザーのインターフェースが更新された。これにより、新規ポジションの開設および新たなaUSDTのミント(発行)が停止されている。

テザーは、この対応について、ユーザーが既存ポジションを解消するための明確な手段を確保するとともに、段階的終了期間中に新たなエクスポージャーが生じることを防ぐためだと説明している。

既存ユーザーは、アロイ・バイ・テザーの利用規約に従い、今後3カ月間にわたりaUSDTを返却し、担保として預けていたXAUTを引き出すことが可能だ。なお9月17日以降は、aUSDTを返却していない顧客は同プラットフォームを通じてXAUTを回収できなくなる。

アロイ・バイ・テザーは2024年6月にローンチされた。テザーは当時、同プラットフォームについて、XAUTを裏付けとするデジタル資産を作成するためのオープンプラットフォームだと説明していた。

またaUSDTは、アロイ・バイ・テザーで発行された最初のデジタル資産として提供された。ユーザーは保有するXAUTを売却することなく、担保として活用しながら米ドル建てのデジタル資産を発行できる仕組みとなっていた。

今回の発表でテザーは、アロイ・バイ・テザーについて、金に裏付けられたデジタル資産や担保付き商品の需要、およびユーザーがトークン化された現実資産(RWA:Real World Assets)とどのように相互作用するかについての知見を得られたとしている。

XAUTを巡っては、ビットコイン担保ローンなどを提供する暗号資産レンディング企業レドン(Ledn)が6月18日、XAUTの保有や取引への対応を発表した。同社は年内にXAUTを担保としたローン提供も開始する予定だとしている。

参考:テザー
画像:iStocks/Peach_iStock

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。