英FCA、認可ファンドの暗号資産ETN保有を最大10%まで容認へ

暗号資産ETNの認可ファンド組み入れ解禁へ

英国の金融行為規制機構(FCA)が、一部のリテール向け認可ファンドに対し、暗号資産(仮想通貨)連動型上場投資証券(crypto Exchange‑Traded Note:cETN)をファンド資産の最大10%まで組み入れることを認める提案を行った。

FCAは6月5日に公表した四半期コンサルテーションペーパー「CP26/17」において、譲渡可能証券への集団投資事業(UCITS)および一部の非UCITSリテールスキーム(NURS)が暗号資産ETNへ投資できるようにする案を示した。意見募集期限は7月13日だ。

UCITSおよびNURSは、個人投資家向けに販売可能な英国の認可ファンドにあたる。規制された開放型の投資スキームで、小口投資家から資金を集めて運用する仕組み。日本の公募投資信託に近い性格を持つ。

FCAは提案の中で、「UCITSおよびNURSに対する10%の上限は、暗号資産ETNへのエクスポージャーから生じる重大なリスクを軽減するためのものだ」と説明している。

またFCAは、適格投資家向けスキーム(QIS)については、プロ投資家や洗練された投資家にのみ販売可能であることから、暗号資産ETNの保有限度を設けない方針だ。一方、長期資産ファンド(LTAF)およびファンド・オブ・オルタナティブ投資ファンド(FAIF)として運用されるNURSについては、暗号資産ETNの保有を禁止する案について意見を求めている。

今回の提案は、英国における暗号資産上場取引型金融商品(ETP)の普及に向けた取り組みのさらなる一歩となる。FCAは2021年に導入した小口投資家向け暗号資産デリバティブおよびETNの販売禁止措置を見直し、2025年10月8日には小口投資家による暗号資産ETNへのアクセスを解禁していた。

暗号資産を直接購入・保管することなく価格変動へのエクスポージャーを得られる投資商品は、近年の暗号資産市場の機関投資家化や普及拡大を後押ししてきた。一方で英国では、欧米の主要市場と比べ規制上の制約が厳しいとの指摘もあり、業界関係者からは競争力低下を懸念する声が上がっていた。FCAもこれまでの見直しにおいて、同様の商品が他国で利用可能になっていることや、英国の暗号資産業界の成長・競争力を支援する観点を示していた。

なお英国政府は2025年10月、暗号資産ETNのISA(個人貯蓄口座)上の取り扱いについて公表しており 同商品は2025年10月8日から株式・投資信託ISA(Stocks & Shares ISA)の適格投資となった。その後、2026年4月6日以降は革新的金融ISA(Innovative Finance ISA:IFISA)の適格投資として再分類されている。

参考:発表
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者