NECとクリプトガレージ、「デジタル資産カストディシステム」開発へ。金商法改正見据え

NECとCrypto Garageが国産カストディシステム開発へ

日本電気(NEC)とクリプトガレージ(Crypto Garage)が、国産のデジタル資産カストディシステム開発に向けて協業したと6月5日に発表した。

同システムは、金融機関や機関投資家、企業向けに提供される予定。金融商品取引法の改正を背景に、信頼性とセキュリティを備えたデジタル資産管理基盤として開発される。両社は2026年内に開発へ着手し、2027年中に予定されている法改正施行後、速やかに同システムの稼働開始を目指す。

デジタル資産カストディシステムとは、カストディアンが投資家の代わりにデジタル資産を保管・管理するためのシステム基盤だ。安全な入出庫指示や残高管理などを行う。

今回の協業では、NECが金融機関向けの業務アプリケーションやクライアントアプリケーションの開発、カストディシステムの基盤構築を担当する。同基盤では、NECの「ブルーステラ(BluStellar)金融機関向けモダナイゼーションプログラム」などを活用し、市場環境や制度更新に対応できる柔軟なシステム構築を目指す。また、各金融機関のシステムとの安全な連携も視野に入れる。なお同プログラムは、金融機関の業務・システムの継続的な高度化とレジリエンス強化を支援するものだ。

またクリプトガレージは、法人向けカストディ業務における知見や、企業が戦略的に暗号資産(仮想通貨)を保有する暗号資産トレジャリー領域での実績を活用する。具体的には、秘密鍵管理技術や、AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)に準拠したバックエンドの開発・提供を担当するとのことだ。

また同システムでは、デジタル資産全般の柔軟な管理に加え、将来的なステーブルコインの保管・管理ニーズも視野に入れた拡張性の高い設計を検討するという。両社は今後、国産カストディシステムおよびウォレット技術の標準化・普及に向け、金融機関を巻き込んだコンソーシアムの組成も視野に入れるとしている。

暗号資産の投資利用拡大や、日本での金商法改正・関連法令整備の進展を背景に、機関投資家や企業の間では、暗号資産投資やステーブルコインを活用した決済・資金管理への関心が高まっているという。一方で、現在普及しているカストディシステムの多くは海外企業が提供しており、日本語対応、国内の法規制や商慣習への対応、サプライチェーンリスクの管理が課題になっているとのこと。

両社はこうした背景から、日本企業が開発し、高度なセキュリティ対応を実現したカストディシステムが求められていると述べている。

なおクリプトガレージは、東証プライム上場企業デジタルガレージ(Digital Garage)の子会社だ。資金決済法に基づく暗号資産交換業者として登録を受けており、デジタル資産の保管サービスや法人向け暗号資産関連サービスを提供している。

参考:NECクリプトガレージ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。