「DeFiは実験段階を過ぎた可能性」、ディファイラマ・リサーチがRWAレポート公開

オンチェーン株式RWAは30億ドル規模に

オンチェーンデータ分析サイト「ディファイラマ(DeFiLlama)」のリサーチ部門であるディファイラマ・リサーチ(DeFiLlama Research)が、現実資産(RWA)の動向をまとめたレポート「State of RWAfi Q1 2026」の内容やDeFiLlamaのRWA関連データをXアカウントで5月28日に紹介した。なお同レポートは4月23日に公開されたものである。

同部門はXへの投稿で、「分散型金融(DeFi)はニッチな実験段階を過ぎた可能性がある」との見方を示した。

ディファイラマ・リサーチによると、オンチェーン株式および株式系RWAの時価総額は30億ドル(約4,792億円)に到達したという。同部門は、ウォール街との提携や規制面での進展、トークン化株式基盤「xストックス(xStocks)」を活用した24時間取引インフラの拡大などが成長を後押ししたと分析している。

ディファイラマ・リサーチによると、オンチェーン株式および株式系RWAのTVL(預かり資産総額)は1ヶ月で7.5億ドル(約1,198億円)から18億ドル(約2,875億円)へ増加したという。

ディファイラマ・リサーチは、今年第1四半期のオンチェーン株式市場の成長をけん引した存在としてxストックスを挙げている。

同部門によると、xストックスは100以上のトークン化株式を提供しており、運用資産残高(AUM)は約5億ドル(約799億円)、累計オンチェーン取引量は300億ドル(約4兆7,916億円)に近づいているという。

また同部門は、xストックスは今年に入り複数のDeFiプロトコルとの統合を進めていると述べている。暗号資産取引所クラーケンでは、適格な非米国顧客向けにSPYx、QQQx、GLDxを対象とした24時間365日の無期限先物取引が開始された。なおSPYxはS&P500連動ETF「SPDR S&P 500 ETF Trust(SPY)」、QQQxはナスダック100連動ETF「Invesco QQQ Trust(QQQ)」、GLDxは金ETF「SPDR Gold Shares(GLD)」をそれぞれ追跡するxストックス関連銘柄だ。GLDxは株式ではなく、金ETF・金価格へのエクスポージャーを表すトークン化商品である。

さらに、ファルコンファイナンス(Falcon Finance)は、xストックス関連資産であるSPYx向けのステーキングボールトをソラナ上で提供したという。同部門によると、これによりユーザーはSPYxへの価格エクスポージャーを維持しながら追加利回りを獲得できるとのこと。ただし、同ボールトはKYC済みユーザー向けで、180日のロック期間が設定されている。 その他、レンディングプロトコルのカミノ(Kamino)やモルフォ(Morpho)でも関連市場が開設されている。またジュピター(Jupiter)のレンディングサービスでは、SPYxをはじめとするxストックス関連資産が担保として利用可能になった。これにより、トークン化株式やETF関連資産をDeFiにおける借入やレバレッジ戦略に活用できる環境が広がっている。

ディファイラマ・リサーチは、このようなxストックスの拡大が、オンチェーン株式および株式系RWA市場の成長を後押しした一因になったと分析している。

なお、トークン化証券市場の拡大については、金融大手シティグループ(Citigroup)も成長見通しを示している。同社は6月1日に公開したレポート「トークナイゼーション2030(Tokenization 2030)」において、トークン化資産市場は2030年までに5.5兆ドル(約878兆円)規模へ拡大するとの予測を示した。

シティグループは、成長をけん引する分野として米国株や米国債などの公開市場証券を挙げている。また、ナスダック(Nasdaq)やニューヨーク証券取引所(NYSE)、米証券保管振替機関(DTCC)といった市場インフラ事業者がトークン化対応を進めていることも普及を後押しする要因になると分析している。

 

参考:ディファイラマ・リサーチシティ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。