ルートストックラボが機関投資家資本の活用拡大について発表
ルートストック(Rootstock)のコアコントリビューターであるルートストックラボ(Rootstock Labs)が、2026年第1四半期における、ルートストック上での機関投資家資本の活用拡大について3月24日に報告した。記事では、ルートストックがビットコインを活用した金融領域「BTCFi(ビットコイン×金融)」の基盤として、機関投資家向けのインフラ整備を進めていることが紹介されている。
ルートストックは、ビットコイン(Bitcoin)を担保としたEVM互換のサイドチェーン。スマートコントラクトを活用した金融サービスに対応するネットワークである。今回の発表では、3,000日間にわたり無停止で稼働してきた実績が強調されている。
なおルートストックラボは、同チェーン上でロールアップやブリッジ、ネームサービス、ステーブルコインなどを提供する分散型インフラサービス群「ルートストック・インフラストラクチャ・フレームワーク(RIF)」にも貢献している。
ルートストックラボによると、現在BTCFi全体の活動の30%がルートストック上で行われているという。その用途には、数百万ドル規模のRWA決済、BTC建てボールト、ストラクチャード商品などが含まれるとしている。また、企業財務や各種ファンドに眠る2,600億ドル超の資本を動かすことが、BTCFiにとって大きな成長余地になると説明されている。
機関投資家向けアクセス基盤の整備
機関投資家の参入には、まず規制対応を前提としたカストディ基盤が重要だとルートストックは説明する。主要プロパイダーであるファイアブロックス(Fireblocks)、フォーディファイ(ForDefi)、ウティラ(Utila)、コボ(Cobo)はゲートウェイとしてルートストックと統合を進めているという。これにより、ヘッジファンドやファミリーオフィス、企業の財務部門は、従来型金融で求められるガバナンスやセキュリティの水準を保ちながら、ビットコインをスマートコントラクト環境で運用しやすくなるとのこと。
その一例としてウティラは現在、Bitcoin PSBT(部分的署名ビットコイン取引)に対応し、複雑なマルチパーティー取引の安全な実行と、秘密鍵を保護するプロトコル「Rootstock Powpeg」を用いたネイティブBTCからrBTCへのペグインを可能にしている。記事では、こうした仕組みにより、機関投資家がビットコインをルートストックのオンチェーン環境へ比較的スムーズに移せるようになると説明されている。
さらに、ルートストックによるMPCベースのガバナンスや高度なトランザクション支援により、機関投資家はセキュリティや統制を維持したまま、BTC建てボールトなどの戦略に資本を振り向けやすくなると説明されている。
BTCを「保有資産」から「運用資本」へ
またルートストックは、DeFiにおけるストラクチャード金融商品の成熟に伴い、機関投資家はビットコインを静的なバランスシート資産から、能動的な資本へと移行させつつあると説明する。
ルートストックラボは、DeFiにおけるストラクチャード金融商品の発展により、機関投資家がビットコインを単なる保有資産ではなく、実際に運用する資本として活用し始めていると位置付けている。その事例として1月には、オンチェーンボールト基盤を提供するメロウ(Mellow)が、デジタル資産特化型のオルタナティブファンドマネージャーであるティア(Tyr)とともに、ルートストック上で機関投資家向けBTCボールトを立ち上げた。これらのボールトは、スマートコントラクトの仕組みを活用しており、明確な戦略枠組みと監督機能を備えた設計だという。
さらに2月には、ミダス(Midas)がルートストック上で、「mHyperBTC」を立ち上げた。これは、東京およびソウルを拠点とするデジタル資産運用会社ハイパーリズム(Hyperithm)が運用するBTC建てマーケットニュートラル戦略を追跡する、機関投資家向けボールトとのこと。ミダスはこれまでに17億ドル超の資産を発行し、3,700万ドルの利回りを支払ってきたとしており、ルートストックラボは、こうした動きがビットコインをオープンなオンチェーン金融の基盤に位置づける流れを後押しすると説明している。
今後の焦点は「資本を呼び込むこと」から「素早く動かすこと」へ
こうした進展についてルートストックは、ビットコインを従来の準備資産という位置づけから実際に機能する運用資本へと移行させるなかで、ルートストックが機関投資家向けボールトの主要インフラであることを裏付けていると述べている。
ルートストックは、カストディアン、オンチェーン投資商品、信用市場を接続することで、機関投資家向けビットコイン運用基盤を統合してきたとのこと。そのうえで、今後は機関投資家資本をビットコインに呼び込む段階から、その資本をどれだけ迅速に展開できるかという段階へと焦点が移っているとルートストックは説明した。
こうした機関投資家へのアクセス実現についてルートストックは、「まだ始まりに過ぎない」と語る。現在はコンプライアンスに対応した機関投資家向け商品の導入方法についても検討を進めているとのことだ
参考:ルートストック
画像:iStocks/Cemile-Bingol