カルシ関連会社がFCM登録、マージン取引導入へ前進。州では違法賭博として提訴も=報道

カルシがFCM承認取得でマージン取引導入へ

予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)の関連会社キネティック・マーケッツ(Kinetic Markets)が、マージン取引の提供に向けた先物取引業者(FCM)として登録されたと、「米ブルームバーグ(Bloomberg)」が3月28日に報じた。

報道によると、同社は米商品先物取引委員会(CFTC)の枠組みのもとで、デリバティブ取引に関する機能を拡張する狙いがあるとされる。FCMは、顧客の証拠金を管理し、先物やオプション取引の仲介を行う登録業者であり、今回の登録は証拠金を用いた取引提供に向けた前進とみられる。ただし、マージン取引の開始にはCFTCによる追加承認が必要であり、現時点で完全に認められたわけではない。

カルシは、将来の事象の結果に応じて価格が変動する「イベント契約」を提供している。具体的には、スポーツや選挙、経済指標などについて、「はい」または「いいえ」で取引する形式を採用している。この仕組みは、将来の結果に基づいて価値が決まる点で、先物などのデリバティブ取引と類似する構造を持つとされる。

今回の動きにより、同社は証拠金を用いた取引を導入する可能性があり、特に機関投資家などプロ向け取引における資本効率の向上が期待されているという。一方で、証拠金取引の提供は現時点で完全に承認されたわけではなく、今後の規制対応が必要となる見込みだ。

一方で、こうしたサービスの法的位置付けを巡っては、規制当局間で見解の相違が生じている。カルシはCFTCの監督下で事業を展開しているが、一部の州は同社のサービスが「賭博」に該当すると主張している。

米ワシントン州の司法長官ニック・ブラウン(Nick Brown)氏は3月27日、カルシを違法なオンライン賭博の提供を理由に提訴したと発表した。同州は、同社の取引が「将来の不確実な事象の結果に対して価値を賭ける行為」に該当するとし、州のギャンブル法および消費者保護法への違反を指摘している。

公開された訴状によると、カルシはスポーツに加え、選挙結果や社会事象など多様なテーマを対象とした取引を提供している。また、オッズ提示や配当構造を備えている点について、同州は従来のスポーツブックと同様の仕組みであると指摘している。

またカルシを巡っては、アリゾナ州がカルシEx(KalshiEx)とカルシトレーディング(Kalshi Trading)を無許可の賭博事業運営などの疑いで刑事訴追しているほか、マサチューセッツ州でもスポーツ関連契約の提供を巡り予備的差止命令が出されるなど、複数の州で規制措置や訴訟が進行している。

これに対しカルシは、自社が提供するイベント契約はCFTCの監督下にあるデリバティブ取引であり、連邦法上適法な金融商品であるとの立場を示している。

このように、連邦規制当局であるCFTCの枠組みでイベント契約は金融商品として扱われる一方、州レベルではギャンブルと評価されるケースがあり、規制の整合性が課題となっている。今回のFCM登録の動きは、こうした環境の中でマージン取引導入に向けた布石として位置付けられる。

参考:ブルームバーグワシントン州
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。