イーサリアム研究者、次世代コンセンサスプロトコルの「動的可用性」の必要性を主張

次世代コンセンサスプロトコルの「動的可用性」の必要性提言

イーサリアム(Ethereum)の研究者ルカ・ザノリーニ(Luca Zanolini)氏が、イーサリアムの次世代コンセンサスプロトコルには「動的可用性(Dynamic Availability)」が必要であるとする投稿を3月17日に行った。動的可用性とは、バリデーター(検証者)の一部が停止している状況下でも、ブロック生成を継続できる特性のことを指す。

ザノリーニ氏は、イーサリアムが「ザ・マージ(The Merge)」の実装時やクライアントのバグ発生時、システム障害時においても一度もブロック生成を停止したことがないと指摘している(なおファイナリティが一時的に乱れた事例はあるため、その点は区別が必要である)。動的可用性はこの特性を形式化したものであり、次期コンセンサス設計ではこの特性を強化すべきであると主張した。

同氏によると、動的可用性は厳格な要件として位置づけられるべきだという。その根拠として、ネットワークの回復力(レジリエンス)、検閲耐性(Censorship Resistance)、アプリケーション層の継続性が挙げられている。

また投稿では、不可能性定理(Impossibility Result)が二層構造を必要にする理由や、現行の「LMD-GHOST」が動的可用性を満たすことを証明できていない理由についても言及されている。さらに候補プロトコルの一つである「ゴールドフィッシュ(Goldfish)」やRLMD-GHOST系がもたらす利点や、スロットあたり約256バリデーターという構成が、より高速なスロット時間と耐量子署名(Post-Quantum Signatures)への移行を可能にすることも説明されているとのこと。

ザノリーニ氏は、イーサリアムの次期コンセンサスプロトコルには、経済的ファイナリティ(Economic Finality)を提供しつつ、経済的ファイナリティが不可能な状況下でもチェーンの進行を保証する、証明可能に安全で高速な「ハートビート層」と、それを追随して確定させる別の「ファイナリティ層」が必要であると強調している。ハートビート層は、awakeなステークの過半数が誠実である限り、ブロック生成を止めない性質を持つべきだとしている。

イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏もXでこの投稿を好意的に紹介し、経済的ファイナリティを提供しつつ、それが不可能な状況でもチェーンの進行を確保する動的可用性コンセンサスの重要性に言及した。

参考:ファイアフライ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。