ワールド、AIエージェントの本人性証明ツール「AgentKit」発表。コインベースのx402と統合

World IDと決済プロトコル「x402」を統合

AIエージェントが人間の代理であることを証明できる開発者向けツール「エージェントキット(AgentKit)」が暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのワールド(World)より3月18日に発表された。同ツールはベータ版として提供が開始されている。なお同プロジェクトは、オープンAI(OpenAI)CEOのサム・アルトマン(Sam Altman)氏が関与するプロジェクトとしても知られている。

エージェントキットは、同プロジェクトが提供する本人性証明システム「ワールドID(World ID)」と、米コインベース(Coinbase)が主導して開発したエージェント向け決済プロトコル「x402」を統合した仕組みだ。

これによりAIエージェントは、ウェブサイトやAPIなどのオンラインサービス利用時に、自身が特定の人間に紐づく存在であることを暗号学的に証明できるという。

近年、AIエージェントの活用が進む中、チケット購入や商品購入、APIアクセスなどにおいて、ボットによる大量アクセスや不正利用が課題とされている。こうした状況では、サービス提供者が「人間による操作」と「自動化されたエージェントによる操作」を区別することが難しいと指摘されている。

ワールドのエージェントキットでは、ユーザーが自身のワールドIDをAIエージェントに紐づけることで、エージェントが人間に裏付けられた存在であることを証明可能になる。これにより、サービス提供者は証明の有無に応じてアクセス制御やリソース配分を行えるとのこと。

またx402との統合により、エージェントによる決済と本人性証明を組み合わせた利用も可能となる。これにより、AIエージェントがオンライン上でサービス利用や取引を行う際の信用基盤の構築につながるとされる。

コインベースは3月17日、x402において任意のERC-20トークンでの決済対応を発表している。同対応により、米ドル連動型の「USDC」やユーロ連動型の「EURC」といったステーブルコインに加え、各種ERC-20トークンを用いたオンチェーン決済が可能になるという。

この機能は「EIP-3009」や「パーミット2(Permit2)」といった仕組みを活用して実装されており、開発者はより柔軟にトークン決済機能を組み込めるとしている。

このようにAIエージェントが経済主体として扱われる技術的な環境整備は急速に進んでいる。特に、決済機能と本人性証明の両面が整備されることで、エージェントによる自律的な取引やサービス利用の基盤が形成されつつある。

 

参考:ドキュメント
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。