DEXアスター、独自L1「Aster Chain」メインネットローンチ。取引プライバシーを基盤レイヤーに実装

ZK暗号化とステルスアドレスで取引の匿名性を確保

パーペチュアルDEX(分散型取引所)を展開するアスター(Aster)が、独自レイヤー1ブロックチェーン「アスターチェーン(Aster Chain)」のメインネットをローンチした。3月17日にアスター公式Xで発表された。

アスターチェーンは、分散型金融(DeFi)における取引情報の過度な可視化による課題への対応を目的に設計されている。

従来のDeFiでは、注文内容や清算価格などがオンチェーン上で公開される構造により、大口ポジションを狙った「ポジションハンティング」発生の可能性が指摘されてきた。アスターはこの課題に対し、取引情報を暗号化し、ウォレットと取引の関連付けを遮断する設計を基盤レイヤーに組み込んでいる。

なおアスターはこれまで、パーペチュアルDEXで注文内容を非公開で実行できる「シールドモード(Shield Mode)」を提供している。これは特定の取引機能として提供されているものであり、今回のアスターチェーンはこうした設計をブロックチェーンの実行レイヤーに組み込んだ点が異なる。

同チェーンでは、ゼロ知識証明(ZKP)を用いた暗号化機構やステルスアドレスにより、ウォレットと取引の関連付けを遮断する仕組みを実装している。必要に応じて取引情報を共有できる「ビュワーパス(Viewer Pass)」と呼ばれる選択的開示機能も備えるという。

同チェーンの性能面では、ブロック生成時間約50ミリ秒、1秒あたり10万件以上のトランザクション処理(TPS)、ガス手数料不要が掲げられている。またBNBチェーン(BNB Chain)やイーサリアム(Ethereum)、アービトラム(Arbitrum)、ソラナ(Solana)とのクロスチェーン入金にも対応する。

オンチェーンのパーペチュアル取引市場が拡大する中、アスターは取引のプライバシー確保を差別化要素として打ち出している。同社は無期限先物を提供するDEXを展開しており、独自チェーンの開発はその機能拡張の一環と位置付けられる。

なお同チェーンは2026年2月に一般公開されたテストネットでの検証を経て、今回のメインネット公開に至ったとみられる。

参考:ドキュメント
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。