ブロックビルディングの課題と対策を説明
イーサリアム(Ethereum)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、ブロックチェーン上でどのトランザクションをブロックに含めるかを決定する「ブロックビルディング」の仕組みについて、その課題と今後の対策案を3月3日に自身のXアカウントで説明した。
ブロックビルディングとは、イーサリアムのコンセンサスにおいて、ユーザーが送信したトランザクションの中から、どの取引をどの順番でブロックに含めるかを決定するプロセスを指す。この工程では取引の並び順によって利益機会(MEV:Maximal Extractable Value)が生まれる場合もあるため、ブロックの構築を担う主体の役割が度々論点になっている。
ブテリン氏は、イーサリアムが今後予定するアップグレード「グラムステルダム(Glamsterdam)」により、プロポーザー(提案者)とブロックビルダー(構築者)を分離する仕組み「プロポーザー・ビルダー・セパレーション(Proposer-Builder Separation:PBS)」が導入される予定であることに言及した。
PBSでは、ブロックの提案を行うプロポーザーが、自らブロックを構築するのではなく、ブロックビルダーの市場に構築を委任できる仕組みが想定されている。一方でブテリン氏は、この仕組みによってブロックビルディングの市場が形成されても、少数のブロックビルダーが市場を支配した場合、特定のトランザクションの排除や、過度な利益を得る可能性があると指摘した。
その対策の一つとして同氏は「フォシル(FOCIL)」と呼ばれる設計案を紹介している。FOCILではランダムに選ばれたアテスター(承認者)がトランザクションを指定し、それらのトランザクションはブロックに必ず含める必要がある。指定されたトランザクションが含まれていない場合、そのブロックは無効になる仕組みだ。
この仕組みにより、仮に単一のビルダーがブロック構築を支配していた場合でも、特定のユーザーのトランザクションを排除することが難しくなるとのことだ。
またブテリン氏は、いわゆる「トキシックMEV(toxic MEV)」への対策として、トランザクションを暗号化する「暗号化メモリプール(Encrypted mempool)」の研究が進められていることにも言及した。これはトランザクションがブロックに含まれるまで内容を公開しないことで、フロントランニングやサンドイッチ攻撃などのMEV関連の攻撃を防ぐことを目的とした仕組みだ。
さらに同氏は、トランザクションがネットワーク上を伝播する過程でもプライバシーやMEVの問題が生じる可能性があると指摘。匿名化されたトランザクションルーティングなどネットワーク層での対策の重要性にも触れている。
長期的には、ブロック構築をより分散化する設計についても検討されているという。ブテリン氏は、イーサリアム上の多くのトランザクションは必ずしも完全なグローバル同期を必要としない可能性があるとし、より分散的に処理できる新しいトランザクション設計の可能性についても言及している。
Finally, the block building pipeline.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) March 2, 2026
In Glamsterdam, Ethereum is getting ePBS, which lets proposers outsource to a free permissionless market of block builders.
This ensures that block builder centralization does not creep into staking centralization, but it leaves the…
参考:ファイアフライ
画像:PIXTA