大手資産運用大手が独自ステーブルコインをローンチ
米資産運用大手「フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)」が、同社初となる米ドル建てステーブルコイン「フィデリティ・デジタル・ドル(Fidelity Digital Dollar:FIDD)」を発行すると1月28日に発表した。
FIDDは、フィデリティ傘下の「フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets, National Association)」が発行主体となり、今後数週間以内に個人投資家および機関投資家向けに提供される予定とのこと。FIDDの準備資産の運用管理は、「フィデリティ・マネジメント&リサーチ(Fidelity Management & Research Company)」が担う。同社は長年にわたり資産運用事業を展開しており、その知見を生かして準備資産の管理を行うとしている。
フィデリティによると、FIDDはデジタル資産およびブロックチェーン技術の利点と、米ドルの安定性および信頼性を組み合わせた「デジタル・ドル」と位置付けられている。FIDDの発行に至ったのは、米国において決済用ステーブルコインに関する規制枠組みが整備されたこと背景として挙げられている。
FIDDは、「フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)、フィデリティ・クリプト(Fidelity Crypto)」および「フィデリティ・クリプト・フォー・ウェルス・マネジャーズ(Fidelity Crypto for Wealth Managers)」の各プラットフォームで購入および償還が可能だ。またFIDDは上場する主要取引所でも購入可能となり、保有者はイーサリアム(Ethereum)メインネット上の任意のアドレスにFIDDを送付できるとのこと(ただし、フィデリティ側が凍結・制限したアドレスには送付できない)。
フィデリティはあわせて、FIDDの流通供給量および準備資産の純資産価値について、毎営業日の取引終了時点の情報を同社ウェブサイト上で開示するとしている。発行、準備資産管理、購入・償還、情報開示までを自社グループ内で担う「フルサービスのステーブルコイン・モデル」を提供する点が特徴とのことだ。
FIDD発行についてフィデリティは、米国において決済用ステーブルコインに関する規制枠組みが整備されたことを背景として挙げている。同社は、近時成立した「ジーニアス法(GENIUS Act)」が決済用ステーブルコインに対して明確な規制上の枠組みを提供したと説明している。
なお大手資産運用会社では、ブラックロック(BlackRock)がトークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)「BUIDL」を提供するなど、金融商品の展開事例はあったものの、資産運用会社が独自のステーブルコインを発行する例は限られている。
フィデリティは、以前からデジタル資産分野の研究やインフラ整備に取り組んでおり、今回のFIDD発行もこうした既存のデジタル資産関連事業の延長線上に位置付けられる。
参考:フィデリティ
画像:Reuters