ポルトガル当局、予測市場「ポリマーケット」を違法賭博として遮断へ。大統領選賭けを問題視

政治イベントを対象とした予測市場への規制判断

ポルトガルのゲーム規制・監察局(SRIJ)が、ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)活用の予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」に対し、ポルトガル国内でのサービス提供を停止し、接続を遮断するよう命じたと地元放送局「レナセンカ(Renascença)」が1月19日に報じた。

報道によると、SRIJは、ポリマーケットが国内でオンライン賭博サービスを提供するための認可を取得していない点を問題視した。また、同国の法制度では、国内外を問わず、政治的な出来事を対象とした賭博行為は認められていないとしている。

SRIJは、ポリマーケットに対し、ポルトガルでの事業を48時間以内に終了するよう通知したという。ただし、通知後も同サイトは国内からアクセス可能な状態が続いており、同機関は通信事業者に対し、ネットワークレベルでの遮断措置を講じる見通しだとされる。

今回の対応の背景には、直近で実施されたポルトガル大統領選挙を対象とした予測市場での取引急増がある。レナセンカによると、選挙結果公表前の数時間で、当該市場には400万ユーロ(約7.4億円)超が投入されたという。主要な大統領選関連市場全体の累計取引額は1億1,000万ユーロ(約1億2,000万ドル・約190.5億円)を上回ったとされている。

SRIJは、無許可の海外事業者については自主的な事業停止要請や通信遮断の要請にとどまると説明しており、サイトが遮断された場合でも、国内利用者が預けた資金を回収できる保証はないとしている。

なお、政治イベントを対象とした賭博を違法とする判断は、ポルトガルに限ったものではない。多くの国では、選挙結果や政治的出来事を対象とした賭博行為について、民主主義への影響や公正性の観点から厳しい制限が設けられている。

例えば英国では、選挙結果を対象とした賭け自体は合法とされているものの、提供主体は厳格な免許制度と監督を受けている。一方、日本では公職選挙法や賭博罪の規定により、選挙結果を対象とした賭博行為は違法と解釈されるのが一般的だ。

米国では、連邦レベルでは予測市場が金融商品として商品先物取引委員会(CFTC)の監督対象に位置付けられる場合がある一方、州レベルでは政治イベントを賭博とみなす動きが根強い。カルシ(Kalshi)やポリマーケットを巡っては、複数の州で州法違反を理由とする訴訟や是正措置が進行している。

予測市場を金融商品と捉えるか、賭博と捉えるかという線引きは国や地域によって異なっており、今後も各国で規制の在り方が問われていく可能性がある。

参考:レナセンカ
画像:PIXTA

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