JPモルガンの「JPMコイン」、カントンネットワークでネイティブ発行へ

JPMDがカントンネットワークで発行へ

米大手銀行JPモルガン(J.P. Morgan)提供の機関投資家向け米ドル建て預金トークン「JPMコイン:J.P. Morgan Deposit Token(JPMD)」を機関投資家向けプライバシー保護型ブロックチェーン「カントンネットワーク(Canton Network)」上にネイティブ発行する計画が1月7日に発表された。同計画は、カントン開発元のデジタルアセット(Digital Asset)社およびJPモルガンのブロックチェーン事業部門キネクシス(Kinexys)が共同で進める。

JPMDは、JPモルガンに保有されている米ドル預金をデジタル表現した預金トークンだ。機関投資家にとっては、銀行が保証するステーブルコインの代替手段として機能し、ほぼ瞬時に24時間365日、P2P(ピアツーピア)の送金と決済を可能にする。同トークンはJPモルガンのブロックチェーンプラットフォームである「キネクシス:旧オニキス(Onyx)」上で発行されていたが、昨年11月に米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)開発・運営のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ネットワーク「ベース(Base)」上で提供開始されている。今回のカントンネットワークでのネイティブ発行の計画は、JPMDのマルチチェーン展開の2例目となる見込みだ。

発表によるとデジタルアセットとキネクシスは2026年を通じて段階的な統合を進めるという。初期段階では、カントン上で直接JPMDの発行・移転・ほぼ即時償還を支援する技術・業務的枠組みの構築に注力するとのこと。

また今回の連携では、JPモルガンのブロックチェーン預金口座を含む同社の決済プロダクト「キネクシス・デジタルペイメント」の追加統合も検討し、カントンエコシステム参加者に提供されるサービスと機能の拡充を図るとのことだ。

カントンネットワークは、2023年5月に立ち上げられた機関投資家向け金融のために構築されたブロックチェーン。2024年7月に、ネットワークの分散型相互運用インフラである「グローバルシンクロナイザー(Global Synchronizer)」が稼働開始し、規制資産・負債のトークン化と安全な同期・決済を支えている。現在はオープンソース化されている同ネットワークでは、ネイティブトークンである「カントンコイン(CC)」によって駆動され、分散型ガバナンスと協調的なアプリケーション開発をサポートしている。

なお同ネットワークには、現在までにゴールドマンサックス(Goldman Sachs)、HSBC、BNPパリバ(BNP Paribas)などの機関投資家がDapp(分散型アプリケーション)やプラットフォームを展開している。 

参考:デジタルアセット
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。