コインベース、予測市場の規制権限巡り米3州を提訴

コインベースが州規制の差し止めを求める

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が予測市場の規制管轄の所在を巡り、米国のコネチカット州、ミシガン州、イリノイ州を相手取って提訴したと、同社最高法務責任者(CLO)のポール・グレワル(Paul Grewal)氏がXの投稿で12月19日に発表した。

グレワル氏は投稿の中で、予測市場は州のゲーミング規制当局ではなく、米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄に属すると主張した。各州による規制や介入は、連邦法に基づく制度と整合しないとの認識を示している。

今回の訴訟では、予測市場がCFTCの専管事項であることについて、裁判所に確認を求めているとされる。グレワル氏は、州政府による規制の試みがイノベーションを阻害し法に反する行為だと述べた。

なおグレワル氏が投稿した前日にあたる18日、CFTCの監督下で運営される予測市場プラットフォームであるカルシ(Kalshi)とコインベースが連携し予測市場に参入する計画が発表されている。今回の提訴は、同社の予測市場参入方針と時期を同じくする動きとなる。

米国では近年、スポーツなどの実世界の事象を対象とした予測市場について州法上のギャンブルに該当するとして問題視する動きが一部で広がっている。一方でコインベース側は、予測市場は将来事象を原資産とするデリバティブ取引であり、賭博とは異なるとの立場を取っている。

今回の訴訟を通じて、予測市場を巡る規制権限の所在が、連邦レベルでどのように整理されるのかが注目される。

参考:訴状
画像:iStocks/simpson33

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