バイナンス、市場急落で総額2億8,300万ドルのユーザー補償を実施

バイナンスが約430億円規模の補償

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は、10月10日(UTC)に発生した市場の急変動を受け、影響を受けたユーザーに対して総額2億8,300万ドル(約430億円)の補償を実施したことを10月13日に発表した。

発表によると10月10日夜にかけて市場全体で売りが集中し、暗号資産市場が急落したという。バイナンスはこの急変動について「世界的なマクロ経済イベントが要因」と説明しており、同期間中も先物および現物取引のマッチングエンジンやAPIは正常に稼働していたとしている。

一方で10日の21:18(UTC)以降に一部のシステムモジュールで短時間の技術的な不具合が発生し、バイナンスの利回り運用サービス「アーン(Earn)」の担保資産として取り扱われていたUSDE、BNSOL、WBETHなどでディペッグが起きた。これによりこれらの資産を担保にしていたユーザーの一部で強制清算が発生したという。

バイナンスは影響を受けたユーザーに対し、発生後24時間以内に補償を完了。補償は2回に分けて行われ、合計約2億8,300万ドル(約430億円)が支払われた。さらに内部送金やアーン商品の償還遅延によって損失を被ったユーザーについても補償を行う方針を示している。

また同社は一部の現物取引ペアで見られた極端な価格下落についても調査を実施。原因として、IOTXやATOMなどで2019年以前から残っていた古い指値注文が流動性不足の中で約定したこと、また一部の銘柄で価格表示の小数点設定変更により一時的に「0」と表示される不具合があったことを挙げた。これらは技術的な問題であり、すでにUI修正を行っているという。

バイナンスは「透明性は当社の中核的価値の一つ」と述べ、今後も補償の進捗状況を随時報告し、リスク管理とシステム安定性の強化を進める方針を示した。また同社は今後の調査で不正取引が確認された場合には、規制当局への報告を行うとしている。

参考:バイナンス
画像:Reuters

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あたらしい経済 編集部

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