イオレ、USDCカード発行予定のスラッシュと提携。暗号資産の投資・運用会社「Neo Crypto Bank」新設も

イオレとスラッシュが提携

東証グロース上場企業のイオレが、スラッシュビジョン(SLASH VISION)との間で、暗号資産(仮想通貨)金融事業における資本業務提携を行うと9月29日に発表した。

スラッシュビジョン(以下、スラッシュ)は、日本初、国内法に唯一準拠し、セルフカストディ方式で暗号資産・ステーブルコインを利用できるクリプトクレジットカード「SlashCard」の提供を予定するシンガポール拠点の企業だ。

今回の業務提携にあたり両社は普通株式引受契約を締結。イオレは第三者割当の方法で、スラッシュの普通株式を取得するとのこと。株式取得は10月31日に実行される予定で、取得割合5.05%となる8,082株を約2億400万円で取得する予定だという。

またイオレは同日、暗号資産金融事業における資産運用の取り組み拡大に向けて、子会社「Neo Crypto Bank合同会社」を設立すると併せて発表している。

イオレは、8月14日に公表した中期経営計画において、暗号資産金融事業を中核に位置づけた。具体的には、暗号資産トレジャリー(自社による暗号資産の取得・保有)事業と暗号資産レンディング(暗号資産のデッド調達)、2つの戦略的資金調達を推進する。そして、保有する暗号資産を運用することによって、暗号資産の値上がりによる資産価値の上昇だけでなく、運用収益の獲得をするという。

さらに将来的には、DeFi(分散型金融)等へシームレスにアクセスできる次世代金融プラットフォーム構想である「Neo Crypto Bank」の具現化を段階的に進める予定であるとのこと。

子会社「Neo Crypto Bank合同会社」の設立は、「Neo Crypto Bank構想」における中核的な機能を担うものになるとのことだ。

両社提携での取り組み

今回の両社提携は、イオレが推進する暗号資産レンディングを中心とした金融サービス群を、スラッシュが提供するセルフカストディ型ウォレットおよび日本初のステーブルコイン対応クリプトクレジットカード機能と連携させるものであるとのこと。これによりイオレは、新たなユーザー接点の獲得、サービス利用機会の拡大、エンゲージメントの向上を実現し、中長期的な事業価値の向上につなげるとしている。

なおイオレとスラッシュ間で合意されている業務提携の内容は「ユーザーが自身のウォレットに保有する資産を、イオレが展開するレンディングサービスにスムーズに接続できる仕組みの共同開発」、「日本円からUSDCやJPYCなど適法なステーブルコインへの交換を実現するオンランプと、ステーブルコインを円に戻すオフランプ機能の構築」、「Slash Card起点のイオレサービスへの導線構築」などが挙げられている。

今後は、Slash Card残高を利回り獲得にも活用できる仕組みを順次実装していく予定とのこと。また両社共同のロイヤリティ・プログラムを開発し、両社のエコシステムにまたがるインセンティブや特典を設計するとのこと。

これにより、利用者はカード利用を通じて幅広いメリットを享受でき、イオレにとってはサービス利用頻度の増加やロイヤリティ向上という効果が期待されるとのことだ。

参考:イオレ1イオレ2
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。