FTX創業者SBFのXアカウント、服役中の「gm」投稿でFTTの価格上昇

SBFが「gm」投稿で影響力を示す

2022年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXトレーディング(FTX Trading)の創業者、サム・バンクマン=フリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)氏のXアカウントから、「gm(good morning)」との投稿が9月24日に行われた。

この投稿が拡散されるなかで、FTXの独自トークンであるFTTの価格が急騰した。コインゲッコー(CoinGecko)の日次データによれば、FTTは投稿直前の約0.80ドルから急騰し、SBFが投稿した直後の24日午前9時過ぎには1.15ドルを記録して短時間で約40%上昇した。取引高も3,528万ドルに急増し市場の過熱ぶりを示している。記事執筆時点では1.00ドル前後で価格は推移している。

暗号資産コミュニティでは「gm」は日常的な挨拶として広く使われている。しかし、米国の連邦刑務所に収監されている受刑者はソーシャルメディアに直接アクセスできないため、現在服役中のSBFの投稿は即座に注目を集めた。その後このアカウントは返信の中で、この投稿はSBF自身ではなく友人が代理で行ったものであることが説明されている。

SBFは2024年3月、ニューヨーク連邦地裁で懲役25年の実刑判決を受けている。FTXの顧客資金を不正に流用した詐欺など7つの罪で有罪となり、顧客は約80億ドル、株式投資家は17億ドル、FTXの姉妹会社であるアラメダ・リサーチ(Alameda Research)の貸し手は13億ドルを失ったとされる。加えて110億ドルの資産没収も命じられた。

2025年1月には、SBFの両親がドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対し恩赦を働きかけていると報じられている。

一方でFTX自体も破産手続きを進めている。2024年10月には米裁判所が破産計画を承認し、FTXは最大165億ドルを顧客返済に充てることが可能となった。

さらに同年10月には、当時の時価で約3,800万ドル相当となるワールドコイン約2,230万WLDの競売を開始し資産整理を加速。11月にはバイナンス創業者チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏らを相手取り、約17.6億ドルの返還を求める訴訟も起こしている。

 

参考:コインゲッコー
画像:Reuters

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