米コインベース、AIエージェント向け決済プロトコル「Payments MCP」提供開始

コインベースが新決済プロトコル発表

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、AIエージェント向け決済プロトコル「ペイメントMPC(Payments MCP)」を9月11日に発表した。同日から開発者向けの提供を開始している。

ペイメントMPCは、チャットGPT(ChatGPT)やクロード(Claude)といった大規模言語モデル(LLM)を暗号資産経済に接続するためのソリューションだ。これによりユーザーはAIエージェントにウォレットを持たせられ、ステーブルコインによる支払いをAIエージェントが自律的に実行できるとのこと。

同社ブログによると、AIエージェントはコインベースを通じて、ステーブルコインを取得・送金し、ブロックチェーン上で取引が可能になるという。さらに、すべての操作は自然言語によるプロンプト入力で完結し、認証はメールアドレスとワンタイムパスワード(OTP)で行えるという。

コインベースは2023年に、AIエージェントと外部サービスの連携を想定したツールキット「エージェントキット(AgentKit)」を公開していた。

今回のペイメントMPCはその発展版にあたる。エージェントキットが限定的な環境での利用にとどまっていたのに対し、ペイメントMPCは広範なLLM環境で利用可能な設計となっている。

さらに本プロトコルは、同社が5月に発表したHTTPの未使用ステータスコード「402ペイメント・リクワイアド(402 Payment Required)」を活用した決済プロトコル「x402」との連携も想定されている。

x402は、Webリクエスト内に即時ステーブルコイン決済を組み込めるオープンなプロトコルだ。サブスクリプションやアカウント登録を介さずにAIエージェントがAPI経由で課金・決済を実行するようなユースケースへの応用も見込まれる。

同社は、今後対応するLLMの拡充に加え、AIが安全に金融システムとやり取りできるための新たなプロトコルの開発にも取り組む方針を示している。

参考:コインベース
画像:iStocks/metamorworks

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あたらしい経済 編集部

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