香港SFC、認可暗号資産取引所にカストディ基準を提示

顧客資産保護の強化策を提示

香港で認可を受けた暗号資産(仮想通貨)取引所(VATP)における顧客資産のカストディ実務を強化する基準と実践例が香港証券先物委員会(SFC)より8月15日に発表された。

SFCは発表にて、「海外の暗号資産プラットフォームで発生した複数のサイバーセキュリティインシデントによる顧客資産の損失はグローバルなカストディリスクを浮き彫りにした」と指摘。ウォレットインフラや管理体制の主な弱点として、第三者ウォレットの侵害、取引検証プロセスの不備、承認デバイスへのアクセス制御の不備を挙げた。

SFCは今回、VATPに対して、経営陣の責任、顧客のコールドウォレットインフラストラクチャと運用、第三者ウォレットソリューションの利用、リアルタイム脅威監視などを含む、最低限遵守すべき基準を示した。

SFCの仲介業者担当執行役員であるエリック・イップ(Eric Yip)氏は「香港が競争力があり持続可能で信頼できるデジタル資産エコシステムを育成するためには、すべてのライセンスを取得したVATPが顧客資産の保護を最優先事項として位置付ける必要がある。VATPはSFCの実践的なガイドを活用し、特にグローバルなリスクが高まる中で、カストディ実務を強化することが望ましい」と述べた。

暗号資産に友好的な姿勢で知られる香港は、取引所向けのライセンス制度を通じて暗号資産関連企業の誘致を進めている。

今年2月に発表された「ASPIReロードマップ」では、VATPやファンドによるステーキングサービス提供の解禁が盛り込まれている。

参考:発表
画像:iStock/daboost

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者