スタンダードチャータード銀行、イーサリアムの年末価格予想を7500ドルに引き上げ

スタンダードチャータード銀行がETHの年末価格予想を引き上げ

英銀行スタンダードチャータード(Standard Chartered)は8月13日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の年末目標価格を4,000ドルから7,500ドルへ引き上げた。ここ最近の業界エンゲージメントの改善やETHの保有増加を理由に挙げている。

同社はまた、2028年末のETHの目標価格を7,500ドルから2万5,000ドルへ引き上げている。

同行の新たな年末目標は、13日に付けた3年半超ぶりの高値である4,700ドルに対して約60%の上昇となる。

世界で2番目に大きい暗号資産であるETHは、より積極的なリターンを求める投資家の間で主要なトークンとして定着している。ビットコインと異なり、価格上昇のみに依存せず、保有者がトークンをロックしてイーサリアムネットワークの運用を支援する見返りに報酬を得る「ステーキング」に用いることが可能なためだ。

過去4週間でETHは50%超上昇した。これは米ドル連動型のステーブルコインに規制枠組みを定める「ジーニアス(GENIUS)法」の成立が後押しした。他の暗号資産の価格も、この法律が採用拡大につながるとの期待から上昇した。

スタンダードチャータードのデジタル資産リサーチ責任者、ジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は「ステーブルコイン分野は2028年末までに約8倍に成長すると見込む。これはイーサリアムネットワーク上の手数料に直接かつ大きな影響を与えると予測する」と述べた。

多くのステーブルコインは基盤となるイーサリアムのブロックチェーン上で発行・取引されており、取引手数料の支払いに必要なETHへの需要を増加させている。

ケンドリック氏は、イーサリアムの長期成長は、特に伝統的な金融に結び付く高付加価値の取引をメインチェーン(レイヤー1=イーサリアム)で処理することに依存するとし、レイヤー1の処理能力が大幅に高まれば、それが実現に資すると付け加えた。

さらにケンドリック氏は、イーサリアム関連のトレジャリー(財務管理)を持つ企業が、流通するETHの10%にまで保有量を増やす潜在性があるとの見方も示した。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Standard Chartered lifts year-end ether forecast to $7,500
(Reporting by Kanchana Chakravarty and Medha Singh in Bengaluru; Editing by Harikrishnan Nair and Leroy Leo)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。