ソラナのWeb3スマホ「Solana Seeker」でステーキング可能に、ソルストラテジーズのモバイルバリデーター統合で

ソラナシーカーでステーキング可能に

ソラナ(Solana:SOL)基盤のWeb3スマートフォン「ソラナシーカー(Solana Seeker)」に、ソルストラテジーズ(SOL Strategies)が運用するモバイルバリデーターが統合された。この統合によりソラナシーカーでステーキングが可能となった。ソルストラテジーズおよび同デバイス開発元のソラナモバイル(Solana Mobile)が8月7日にXで発表した。

ソルストラテジーズ(旧Cypherpunk Holdings)は、ソラナエコシステムへの投資およびインフラ提供を専門とするカナダの上場企業だ。同社は6月18日、米国の証券取引所ナスダック(Nasdaq)への上場申請書を、米証券取引委員会(SEC)へ提出したと発表した。なお、同社はカナダ証券取引所(CSE)に上場している。

ソラナシーカーユーザーは、同デバイスに搭載されているセルフカストディ(自己管理型)ウォレットのシードヴォールトウォレット(Seed Vault Wallet)から直接ステーキングし、SOLの利回りを獲得できるようになった。

ステーキングはソラナシーカーのほか、ソラナモバイルが展開するWeb3スマートフォン「サガ(Saga)」や任意のソラナウォレット、さらに指定リンクからも行えるという。また、ステーキング報酬およびMEV(最大抽出可能価値)チップに手数料は発生せず、ユーザーは最大限のリターンを得られるとのこと。

なおMEVとは、ブロックチェーンにおいてマイナーやバリデーターがブロックを生成する際に、トランザクションの挿入、除外、並び替えなどを行うことで、通常のブロック報酬やガス代とは別に得られる追加の利益を指す。MEVにはさまざまな形態があり、高速な清算のようにユーザーにとって有益なものもあれば、サンドイッチ取引のようにユーザーに不利益をもたらすものも存在する。

ソルストラテジーズが運用するモバイルバリデーターのステーキングインフラは、情報セキュリティマネジメントに関する国際規格のアイエスオー27001(ISO 27001)および、国際的なセキュリティ認証のソックツータイプ1(SOC 2 Type 1)に準拠しているという。これによりモバイル環境でも、機関投資家レベルのセキュリティが提供されているとのこと。

このステーキングインフラの構築はソラナモバイルおよび、ソラナ基盤の分散型アプリケーション(dApp)「オレンジフィン(Orangefin)」による取り組みを通じて行われたという。

ソラナモバイルは8月4日、ソラナシーカーが世界50カ国以上に出荷開始されたことを報告。同社は、ソラナシーカーが購入者の手元に届くまで数週間かかる見込みであるとした。

ソラナシーカーにはシードヴォールトウォレットのほかに、Android OSとは分離されたハードウェアベースの秘密鍵保管領域シードヴォールト(Seed Vault)、譲渡不可のシーカージェネシストークン(Seeker Genesis Token)、個人識別用のシーカーID(Seeker ID)、分散型アプリストアのソラナdAppストア(Solana dApp Store)が搭載されている。

さらに同デバイスには、分散型インフラアーキテクチャのTEEPIN(Trusted Execution Environment Platform Infrastructure Network)および、独自トークン「SKR」の導入が計画されているという。ソラナモバイルが5月21日に発表した。

TEEPINは、ソラナモバイルがWeb3モバイルエコシステムを分散化する上で中心的な役割を担うプラットフォームとのこと。このアーキテクチャは、他のハードウェアメーカーへの拡張も視野に入れて開発されているという。

またSKRは、ソラナモバイルエコシステム内の経済活動、報酬設計、プラットフォームのガバナンス構造を支える要素になるとのこと。同トークンは、ユーザー・開発者・ハードウェアメーカー間のインセンティブを調整する役割を担うという。

なお、ソラナシーカーは記事執筆時点で500ドル(約7万3,500円)で販売中だ。

画像:Solana Mobile

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。