アイゲンレイヤー、マルチチェーン認証機能をBase上で導入開始

EigenLayerがマルチチェーン認証機能を導入

アイゲンレイヤー(EigenLayer)の開発チームであるアイゲンラボ(Eigen Labs)が、「マルチチェーン認証(Multi-Chain Verification)」機能を7月25日に発表した。

同機能は、レイヤー1のイーサリアム(Ethereum)以外のレイヤー2ネットワークや他のブロックチェーンにアクティブ検証サービス(AVS)を展開できるものとなっている。また同機能は、新たなプロトコル機能「ELIP-008」として提案されており、AVSの展開可能性を大幅に拡大するものとなる。

AVSは、「リキッドステーキングトークン(LST)」を用いたセキュリティサービスであり、ユーザーはリキッドステーキングサービスを利用することで得られるトークンであるLSTをAVSにステーキングすることでセキュリティサービスに参加可能になる。

これまでAVSは主にイーサリアムL1でのみ動作可能であったが、マルチチェーン認証により数時間でL2ネットワークへの展開が可能になるという。AVSはコントラクトパラメータの設定により、より高速で低コストな環境でサービスを提供できるようになり、アプリケーション開発者との接点拡大が期待される。またこの機能により、AVSはアイゲンレイヤーの信頼性とセキュリティ特性を維持しながら、エンドユーザー体験の向上とコスト削減を実現できるとのことだ。

現在、ベース(Base)のセポリアテストネット上で同機能のパブリックプレビューが開始されている。AVS開発者は同テストネット上で新しいL2サービスの活用をテストできる。パブリックプレビュー期間中、テストネット上のステークデータは毎日更新される仕組みとなっている。この更新はプロトコル自体によって実行され、後にAVSがガス料金や機能面でより多くのカスタマイズオプションを利用できるようになる予定だ。なおオペレーターのスラッシュ(罰則)や除名などの重要な更新については、消費者の安全確保のため即座に全チェーンに反映されるとのことだ。

アイゲンラボは統合プロセスを簡素化しつつ柔軟性を保つことを目指しており、モジュラー型AVSアーキテクチャを可能にする標準ベースのアプローチを採用している。統合体験は現在および将来にわたって全ての対象チェーンで一貫性を保ち、重複作業を排除してAVSの市場投入を簡素化することを目標としている。

マルチチェーン認証のメインネットローンチと追加チェーンのサポートは今後数か月で実施予定で、第3四半期には一般提供開始が予定されている。

アイゲンラボは6月、データ用のアイゲンDA(EigenDA)、紛争解決用のアイゲンベリファイ(EigenVerify)、実行用のアイゲンコンピュート(EigenCompute)などのコアサービスを統合した統一プログラマブル環境「アイゲンクラウド(EigenCloud)」を発表している。この発表と同時期に、ベンチャーファームのa16z cryptoが7,000万ドル相当のEIGENトークンを購入し、以前のアイゲンラボのシリーズB投資ラウンド1億ドルへの主導投資を拡大している。 

画像:iStocks/StationaryTraveller・iam2mai

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。