英中銀、銀行による暗号資産エクスポージャーを厳格規制へ。2026年に正式提案

BCBS基準に基づき、厳格なリスク管理体制の導入を示唆

イングランド銀行(英中央銀行)が、銀行による暗号資産(仮想通貨)の取り扱いに関する新たな規制提案を2026年に提示する方針を明らかにした。同行の健全性政策担当執行役員であるデイビッド・ベイリー(David Bailey)氏が、6月18日にロンドンで開催された「Risk Live Europe」での講演で語った。

ベイリー氏は、銀行は暗号資産へのエクスポージャーを慎重に管理すべきであり、特に導入初期には厳格な規制体制が適切であるとの見解を示した。

ベイリー氏は、規制基準を緩和すべきかどうかを判断するためには、まず証拠を収集する必要がある。その過程では、初期段階でより制限的なアプローチを取ることが適切な場合もある」と述べ、その具体例として「価格変動が激しく、投資家が元本を失うリスクが高い特徴を持つ暗号資産に対する、銀行のエクスポージャーに関するプルデンシャル(健全性)措置」を挙げた。

英国は、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が策定した暗号資産エクスポージャーに関する国際的な健全性規制を参考に、自国の規制枠組みを設計しており、2026年の導入を予定している。

BCBSは2021年6月、既存のバーゼル規制に暗号資産を組み込む提案を発表した。その内容は、ビットコイン(BTC)などの暗号資産を保有する銀行に対し、厳格な自己資本要件を課すというものだった。

その後、2022年12月には「暗号資産エクスポージャーのプルデンシャル処理(Prudential treatment of cryptoasset exposures)」と題した最終ルールを公表。この枠組みは、銀行が保有・取引する暗号資産に対して、どのように規制資本を積み、どの程度リスクを管理すべきかを定めた国際基準である。BCBSはこの枠組みを2025年1月1日から運用している。

参考:講演
画像:iStock/ 8213erika・Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者