Solanaが信頼レイヤー構築を目的とした検証サービス「SAS」をローンチ
ソラナ財団（Solana Foundation）とソラナアイデンティティグループ（Solana Identity Group）が、検証可能な資格情報のためのオープンかつパーミッションレスなプロトコル「ソラナアテステーションサービス（Solana Attestation Service：SAS）」をソラナメインネットで5月24日にローンチしたと発表した。「SAS」は、インターネット資本市場におけるトラストレイヤーの提供を目的としており、あらゆる情報の検証に利用できるという。
同サービスは、信頼できる発行者がユーザーのウォレットにオフチェーン情報を関連付けることを可能にするものだ。具体的には、KYC（本人確認）チェック、地理的適格性、組織のメンバーシップ、認定ステータスなどの情報をウォレットに紐付けられるとのことだ。これらのアテステーション（証明）は署名され、検証可能であり、機密データのオンチェーンへの公開や検証手順を重複させることなく、アプリケーション間で再利用可能である。
また「SAS」はポータブルな資格情報をユーザーがウォレット内に保持し、アプリケーション間で再利用できる仕組みを提供する。中央集権的なゲートキーパーに依存しない中立でオープンなインフラストラクチャを提供し、アプリケーションが1回のSDK（ソフトウェア開発キット）呼び出しでプログラマブルなトラスト情報にアクセスできるという。さらに設計上安全で、デフォルトでプライベートなだけでなく、幅広いブロックチェーンユースケースに対応可能な構成になっているとのことだ。
主な使用例として、一度規制要件を満たせばプラットフォーム間で資格情報を再利用できるKYCパスポート、管轄区域に基づくアプリケーションやアセットへのアクセス制御、エアドロップやガバナンス用に人間の一意性証明、リアルワールドアセットプラットフォーム向けの投資家適格性検証などが挙げられている。またDAO（分散型自立組織）レピュテーションシステム、DePIN（分散型物理インフラネットワーク）アプリケーション向けのデバイスや位置証明なども可能だという。
ソラナアイデンティティグループは、アイデンティティ管理ソリューションのシビック（Civic）、デジタルアイデンティティの世界標準を目指すソリッド（Solid）、オンチェーンレピュテーション製品のソラナID（Solana.ID）、ソラナ財団、AI活用のシビル防止技術を提供するトラスタラボ（Trusta Labs）などのメンバーで構成された新しいグループだ。「SAS」は同グループの初のプロジェクトとなる。
現在、「SAS」を活用してサービスを構築している企業には、KYCプロバイダーのサムサブ（Sumsub）、ゲーム開発SDK提供のハニカムプロトコル（Honeycomb Protocol）などがある。またシビックの「シビックパス（Civic Pass）」は、「SAS」との互換性を既に持っているという。ソリッドでは、「プライオリティパス」をミントすることによるユーザーの一意なデジタルアイデンティティの作成、ソラナIDでは職歴証明のためのアテステーション発行に「SAS」を統合している。
「SAS」は現在既にソラナメインネットで利用可能となっており、開発者はギットハブ（GitHub）でSDK（「SAS」をアプリに組み込むためのツール群）の確認や、公式ウェブサイトで事例やスキーマを確認できる。
Introducing the Solana Attestation Service (SAS) 🔐
— Solana (@solana) May 23, 2025
A new open source, permissionless protocol to attest to anything — the trust layer for internet capital markets. pic.twitter.com/hpPI9QDkxn
参考：ソラナ
画像：iStocks/Molnia