BNPパリバAM、MMFのネイティブトークン化、クロスボーダーDLT取引もテスト

BNPP AMがMMFをネイティブトークン化

仏金融グループBNPパリバ(BNP Paribas)の資産運用部門であるBNPパリバアセットマネジメント(BNP Paribas Asset Management:BNPP AM)が、ネイティブにトークン化されたマネーマーケットファンド(MMF)のシェアクラス(ファンド内の区分)をブロックチェーン上でローンチしたと5月22日に発表した。

このシェアクラスは、ルクセンブルク籍の既存MMFに設定されたものである。BNPP AMは、このシェアクラスの導入にあわせて、分散型台帳技術(DLT)を活用したクロスボーダー取引のテストも実施しているという。その一環として同社は、フランスの取引先とのクロスボーダー取引を通じて、ブロックチェーンベースのシステムを活用した業務処理を行っているとのこと。

発表によると今回のプロジェクトの主な目的は、分散型台帳技術(DLT)を活用して運用の効率性を高めることにあるという。

特にサブスクリプション(購入)および償還に関するリアルタイム情報の提供や、基準価額(NAV)の受領に基づくオンチェーンでの即時注文の実行を可能にすることで、従来のバッチ処理に比べて迅速な対応を実現するとのこと。将来的には、より高速かつ効率的な決済処理も可能になると説明されている。

またMMFのネイティブトークン化には、これまで主に機関投資家に限定されていたMMFの分配を、より広範な個人投資家層へと拡大する可能性があるとされている。DLTは、その実現を後押しする手段として、効率性と安全性の両面で寄与するとのこと。

なお今回の取り組みは、ユーロ圏の通貨当局であるユーロシステム(Eurosystem)が2024年に実施したホールセール(金融機関などの大口業務)型中央銀行デジタル通貨(Wholesale Central Bank Digital Currency :wCBDC)実験に続くものであるという。

また同実験の技術パートナーには、オールファンズブロックチェーン(Allfunds Blockchain)および、証券代行(トランスファーエージェント)としてBNPパリバ証券サービス部門(BNP Paribas’ Securities Services business)が参加しているとのことだ。

参考:BNPパリバ
画像:iStock/Dmytro-Varavin

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。