NFTで個人の医療健康情報を管理、暗号屋とSaveExpatsが「VWBL」で

暗号屋がSaveExpatsと提携

ブロックチェーン関連プロダクトの開発を行う暗号屋が、自己採血キットによる郵送検査サービス提供のセイブエクスパーツ(SaveExpats)と業務提携し、医療健康情報事業に取り組むことを3月14日発表した。

両社は今回の提携により、所有者だけが閲覧できるNFTを使い、個人の医療健康情報を管理する事業を開発するとのこと。この取り組みには、暗号屋提供のNFTデジタルメディアプロトコル「VWBL(ビュアブル)」が活用される。なおこの取り組みを行うのは国内初になるという。

「ビュアブル」は、NFTを持っている人しかデータを見ることのできない分散型アクセスコントロールNFTだ。分散型鍵管理技術により分散型アクセスコントロールを行うことで、NFTの所有者のみが暗号化されたコンテンツを復号し閲覧できる機能を実装している。これによりコンテンツ事業者は、CDやDVDなどと同じようにNFTをメディアとして利用でき、それを用いたデジタルコンテンツ流通を実現することが可能になる。

発表によると、医療健康情報は医療機関や企業、自治体などがそれぞれで管理を行っており、それには大量の個人情報管理コストと個人情報漏洩リスクが伴っているという。

そこで両社は「ビュアブル」を活用して、医療情報を取扱う事業者が患者個人に検査結果をプラットフォームなどの第三者を介さずに送ることで、プラットフォームでの管理においてベンダー(販売業者)にかかっていた、個人情報管理コストの圧縮や情報漏洩リスクを軽減する為の実証実験を行っていくとのこと。

また医療データをはじめとする個人データを、個人しか管理できないDID(分散型アイデンティ)と「ビュアブル」を連携することで、従来よりも高度な医療情報の提供や個人データ販売など、既存市場での実現が難しかったDID主体による個人データ利活用に繋がる実証実験も行えるとしている。

なお暗号屋は昨年10月、「ビュアブル」のソフトウェア開発キット「VWBL SDK」のリリースを発表している。

「VWBL SDK」の利用により、Minting LP(Webサイトから自身のNFTを販売する)やマーケットプレイス、BaaS(Blockchain as a Service)など様々なモジュールで「VWBL」を実装でき、誰でも「VWBL」を使ってweb3上でデジタルコンテンツビジネスの展開が可能になるとのことだ。

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images:iStocks/pgraphis

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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