カゴメ、ブロックチェーン活用の「日本の野菜で健康応援債」発行へ、みずほのPFで

カゴメが「デジタル特典付き社債」発行へ

食品系メーカーのカゴメが、ブロックチェーンを活用した「デジタル特典付き社債」の発行予定を1月31日発表した。

なおこの「デジタル特典付き社債」は、従来は困難であった社債購入者の情報を発行体がデジタルに取得すること、および投資家と直接接点を持つことを可能にしたものであり、「社債購入者の情報」をブロックチェーンで管理しているものだという。その為今回の「デジタル特典付き社債」は、社債自体をブロックチェーンで発行・管理する「セキュリティトークン」ではないとのことだ。

なおこの社債の名称は「カゴメ株式会社第1回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」であり、また「カゴメ 日本の野菜で健康応援債」の愛称がつけられている。

発表によると、この「デジタル特典付き社債」は2月21日に発行される予定で、みずほフィナンシャルグループ(FG)が提供するブロックチェーン活用のシステム基盤「デジタルエンゲージメントプラットフォーム」が用いられるとのこと。

このプラットフォームについては、「従来の社債の主目的である資金調達に加え、社債への投資を発行体の商品購買につなげていくマーケティングツールとして活用することが期待できる」と説明されている。

またカゴメは本社債の特徴を「スマホやPCを用いて手軽に購入できる」「少額投資が可能」「投資家の方々と直接コミュニケーションをとることが可能」等とあげている。

この「カゴメ 日本の野菜で健康応援債」購入者にはカゴメの通信販売「カゴメ健康直送便」の魅力を提供するとして、6種類の国産野菜を350g分使用した通販限定のジュース「カゴメつぶより野菜」が特典として付与されるとのことだ。なお特典の受け取りには「カゴメ健康直送便 オンラインショップ」の顧客番号が必要であり、社債購入金額にかかわらず、購入者1名につき「カゴメつぶより野菜」が15本のみ付与されるとのことだ。

本社債については発行総額10億円、購入単位の金額は10万円。利率については2月8日に条件が決定する予定とのこと。また募集期間は2月9日から2月20日で、発行日は2月21日、償還期限は2024年2月21日となっている。なお引受主幹事証券会社はみずほ証券、販売証券会社は楽天証券、社債管理者はみずほ銀行とのことだ。

「あたらしい経済」編集部はみずほFGへ、今回の「デジタル特典付き社債」に用いられている「デジタルエンゲージメントプラットフォーム」の基盤ブロックチェーンについて問い合わせを行っている。返答が得られ次第、この記事に追記させていただく予定だ。

以下2023.1.31 15:50追記

みずほFG広報担当者によると、「デジタルエンゲージメントプラットフォーム」の基盤ブロックチェーンについては、現状「非公開」とのことだ。

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参考:カゴメ
デザイン:一本寿和
images:iStock/Julia_Sudnitskaya

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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